iOSには、さまざまなアクセシビリティ機能が搭載されている。中でも視覚の補助として活躍する機会が多い機能が「拡大鏡」だ。iPhoneのカメラを通して、文字や模様などを拡大し、ルーペ代わりに使用できる。
この拡大鏡機能は、「iOS 10」で追加され、これまでアクセシビリティの中の1機能として用意されていたが、iOS 15では「標準アプリ」の1つという扱いに変わった。存在を知らなかった人も多い機能だと思うので、本稿ではその機能について改めて紹介していきたい。
「拡大鏡」アプリを、ホーム画面に追加していない場合、アプリの一覧画面や検索によって表示することができる。例えば、ホーム画面を一番右まで切り替え「App ライブラリ」画面を表示したら、「ユーティリティ」カテゴリーの中に「拡大鏡」アプリがあるので、これをタップすることで「拡大鏡」が起動する。頻繁に利用する場合には、ホーム画面に設置しておくことを勧める。
また、コントロールセンターに拡大鏡を配置することも可能だ。「設定」アプリから「コントロールセンター」を選択し、「拡大鏡」の横にある「+」をタップすることで、拡大鏡のアイコンがコントロールセンターに追加される。このアイコンをタップすることでも、拡大鏡を起動できる。
さらに頻繁に拡大鏡を利用したい、生活に欠かせないという場合には、「設定」アプリで「アクセシビリティ」→「ショートカット」を選び、「拡大鏡」を選んでおくことを勧めたい。サイドボタンをトリプルクリックする操作で、拡大鏡を起動させられるようになる。一方、従来のように「アクセシビリティ」画面には「拡大鏡」の設定欄が見当たらなくなっているので、注意したい。
その他には、Siriを使って「拡大鏡を開いて」と声で指示する方法も実用的だろう。合わせて覚えておきたい。
これまでも拡大鏡機能はアクセシビリティから起動できたので、既に理解しているユーザーも多いだろう。しかし、ここでは初見の方のために、拡大鏡アプリの基本的な使い方について、改めて紹介しておきたい。
拡大鏡アプリを起動すると、iPhoneの背面カメラが撮影した映像が画面に写る。下部にはカメラアプリに似たUI(ユーザーインタフェース)が表示される。最上部のスライダーでは、ズーム操作が行える。また、その下の中央の3ボタンで、「明るさ」「コントラスト」「フィルタ」を、それぞれカスタマイズ可能だ。
見やすいように条件を合わせて、下部中央の撮影ボタンをタップすると、カメラで撮影するのと同じ感覚で画像として記録される。ただし、「写真」アプリのカメラロールには保存されていないのが、通常のカメラアプリと挙動が異なるポイントだ。撮影後には、撮影した画像を拡大縮小しながらじっくりと確認できる。
なお、「iPhone 12 Pro/Pro Max」「iPhone 13 Pro/Pro Max」では、拡大鏡アプリに人のアイコンが表示され、近く人がいるのかどうかを認識し、大まかな距離を表示してくれる。ソーシャルディスタンスを保ちたい際には、視覚の補助として活用できることも知っておこう。
視覚を補助する必要がある人はもちろん、これまで拡大鏡機能を使ったことがなかった人も、「小さい文字が見えづらい」「うっかりメガネを忘れてしまった」といったタイミングでこういった機能を使えるよう、基本的な操作方法を試しておいてはどうだろうか。
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