iPhoneをルーペ代わりに iOS 15で標準アプリになった「拡大鏡」の使い方

» 2021年12月23日 11時30分 公開
[井上晃ITmedia]
iOS 15 拡大鏡 「拡大鏡」アプリで小さな文字も見やすくなる

 iOSには、さまざまなアクセシビリティ機能が搭載されている。中でも視覚の補助として活躍する機会が多い機能が「拡大鏡」だ。iPhoneのカメラを通して、文字や模様などを拡大し、ルーペ代わりに使用できる。

 この拡大鏡機能は、「iOS 10」で追加され、これまでアクセシビリティの中の1機能として用意されていたが、iOS 15では「標準アプリ」の1つという扱いに変わった。存在を知らなかった人も多い機能だと思うので、本稿ではその機能について改めて紹介していきたい。

拡大鏡アプリの起動の仕方は主に2通り

 「拡大鏡」アプリを、ホーム画面に追加していない場合、アプリの一覧画面や検索によって表示することができる。例えば、ホーム画面を一番右まで切り替え「App ライブラリ」画面を表示したら、「ユーティリティ」カテゴリーの中に「拡大鏡」アプリがあるので、これをタップすることで「拡大鏡」が起動する。頻繁に利用する場合には、ホーム画面に設置しておくことを勧める。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 App ライブラリのユーティリティ画面にある「拡大鏡」アプリ(写真=左)。ホーム画面を下スワイプして現れる検索機能で「拡大鏡」と入力してもよい(写真=右)

 また、コントロールセンターに拡大鏡を配置することも可能だ。「設定」アプリから「コントロールセンター」を選択し、「拡大鏡」の横にある「+」をタップすることで、拡大鏡のアイコンがコントロールセンターに追加される。このアイコンをタップすることでも、拡大鏡を起動できる。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 「設定」アプリで「コントロールセンター」をタップし、「拡大鏡」の「+」をタップ(写真=左)。コントロールセンター画面にアイコンが表示された(写真=右)

 さらに頻繁に拡大鏡を利用したい、生活に欠かせないという場合には、「設定」アプリで「アクセシビリティ」→「ショートカット」を選び、「拡大鏡」を選んでおくことを勧めたい。サイドボタンをトリプルクリックする操作で、拡大鏡を起動させられるようになる。一方、従来のように「アクセシビリティ」画面には「拡大鏡」の設定欄が見当たらなくなっているので、注意したい。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 「設定」アプリ→「アクセシビリティ」→「ショートカット」(最下部付近にある)を選び、「拡大鏡」を選択(写真=左)。iPhoneの右側面にあるサイドボタンをトリプルクリックするとショートカットメニューが表示された。なお、選択している機能が1つの場合には、その機能が実行される

 その他には、Siriを使って「拡大鏡を開いて」と声で指示する方法も実用的だろう。合わせて覚えておきたい。

拡大鏡の使い方は?

 これまでも拡大鏡機能はアクセシビリティから起動できたので、既に理解しているユーザーも多いだろう。しかし、ここでは初見の方のために、拡大鏡アプリの基本的な使い方について、改めて紹介しておきたい。

 拡大鏡アプリを起動すると、iPhoneの背面カメラが撮影した映像が画面に写る。下部にはカメラアプリに似たUI(ユーザーインタフェース)が表示される。最上部のスライダーでは、ズーム操作が行える。また、その下の中央の3ボタンで、「明るさ」「コントラスト」「フィルタ」を、それぞれカスタマイズ可能だ。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 画面下部UIのスライダーがズーム操作に該当。その直下のアイコンをタップすると写り具合を調整できる(写真=左)。中央のアイコンをタップした場合の画面。コントラストを調整できる(写真=右)

 見やすいように条件を合わせて、下部中央の撮影ボタンをタップすると、カメラで撮影するのと同じ感覚で画像として記録される。ただし、「写真」アプリのカメラロールには保存されていないのが、通常のカメラアプリと挙動が異なるポイントだ。撮影後には、撮影した画像を拡大縮小しながらじっくりと確認できる。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 右下のアイコンをタップすると、1枚ずつ撮るモード(シングル写真モード)と、複数枚を連続して撮るモード(マルチ写真モード)が切り替わる(写真=左)。撮影した画像を見ている際に、画面をタップすればUIを消してじっくりと眺めることが可能だ。なお、画像が白いのは撮影時に「反転」のフィルターを適用しているから(写真=右)

 なお、「iPhone 12 Pro/Pro Max」「iPhone 13 Pro/Pro Max」では、拡大鏡アプリに人のアイコンが表示され、近く人がいるのかどうかを認識し、大まかな距離を表示してくれる。ソーシャルディスタンスを保ちたい際には、視覚の補助として活用できることも知っておこう。

iOS 15 拡大鏡iOS 15 拡大鏡 iPhone 12/13のProシリーズでは人のアイコンが表示され、これをタップすることで「人の検出」機能を有効にできる(写真=左)。この状態で、カメラが人を認識するとその人までの距離を表示してくれる(写真=右)

 視覚を補助する必要がある人はもちろん、これまで拡大鏡機能を使ったことがなかった人も、「小さい文字が見えづらい」「うっかりメガネを忘れてしまった」といったタイミングでこういった機能を使えるよう、基本的な操作方法を試しておいてはどうだろうか。

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