「iPad Air(第5世代)」はiPad Pro並みに性能が向上したが、悩ましいデバイスだ石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2022年03月19日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Proにするか、Airにするか――悩ましい価格とストレージ容量の設定

 引き算上手なiPad Airだが、そこには、iPad ProとiPad Airに十分な価格差があった場合というただし書きもつく。本国の米国では、同じ256GBで比べた場合、iPad ProとiPad Airには150ドル(約1万7800円)の差がついているのに対し、日本では1万4000円と、その差が小さいなっている。これは、日本円でiPad Proの価格設定をした2021年4月より円安が進行しているためだ。Appleにはいかんともしがたい要素だが、約1年で為替相場がここまで大きく円安に振れたのは、iPad Airにとって不幸な出来事だったといえる。

iPad Air
iPad Air 256GBのWi-Fi版は9万2800円。iPad Proの同容量版は10万6800円で、価格差は1万4000円

 もう1つの要素が、ストレージ容量のバリエーションだ。iPad Airには、iPad Proにない64GB版がある一方で、128GB版がなく、1つ仕様を上げるとストレージが一気に256GBになってしまう。64GB版はデータをある程度持ち歩くにはかなり厳しい容量で、写真や動画などをiPad Airで編集しようとすると、頻繁に削除するなどの対応が必要になる。データのほとんどをクラウド側に置く手はあるが、それでも64GBだとやりくりが大変になりそうだ。

iPad Air 試用したのは256GB版。128GB版が選択肢になく、64GBで容量が足りないとこちらを選ぶことになる

 これに対し、iPad Proは128GB、256GB、512GB、1TB、2TBとストレージの容量が段階的に上がっていき、選択肢も多い。最低容量が128GBに設定されているのも、ユーザーにとって選びやすいポイントだ。64GBではストレージに不安がある一方で、256GBは多すぎるという人が、価格の最も安い128GBを選択できる。128GBがちょうどいい人がiPad Airを購入しようとすると、256GB版にせざるをえず、iPad Proとの価格差はわずか2000円になってしまう。この状況だと、iPad Airが割高に見える。

 最低容量同士の比較なら64GB版があるiPad Airの安さが際立つが、上記のようにストレージ不足を心配しながら使うことになるのがネックになる。特に、第5世代のiPad Airは、M1チップを採用して処理能力を大幅に底上げしているだけに、ヘビーユーザー向けの端末だ。最低容量をiPad Proと同じ128GBに設定するなり、ストレージのバリエーションを3段階にするなりの工夫は欲しかった。こうした価格設定のため、iPad ProとiPad Airのどちらにするかは、かなり悩ましい選択といえそうだ。

 コストパフォーマンスが高いといわれるiPad Airだが、価格設定やストレージの容量まで詳細に見ていくと、ある程度ユーザーを選ぶ端末であることが分かる。必要なデータはクラウドに置いて最低容量で済ませられる人や、カラーバリエーション重視の人、Touch IDがどうしても必要な人、さらにはとにかくM1搭載で価格が1円でも安い方がいい人などはiPad Airが候補に上がるが、条件に当てはまらなければ、iPad Proに目を向けてみてもいいだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  3. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  4. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  5. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  6. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  7. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  8. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  9. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  10. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年