「スマホは、便座以上に不潔」という話を聞いたことはありませんか? 2017年のものではありますが、アリゾナ大学の科学者が、携帯電話が、ほとんどの便座の10倍ものバクテリアのキャリアになっていることを発見したという記事をタイム誌が掲載しています。
以前なら、「人間の皮膚の上には無数のバクテリアが存在しているからね! 気にしない!」と考えることもありましたが、コロナ禍の影響で、そうも言っていられなくなりました。
「家に帰ったら、うがい手洗い」を徹底させても、外から持ち込んだスマホをそのままにしていては、どのような菌やウイルスが付着しているか分かりません。最近では、防水性能の高いスマホも出てきているので、それらを水洗いしても問題ないのでしょうか。また、アルコール入りの除菌シートを使っても大丈夫なのか、UV除菌グッズは? などについて、3キャリアの広報担当者にきいてみました。
「ハンドソープで洗える」と、公式にうたっている「TORQUE 5G(KYG01)」「DIGNO rafre(KYV36/KYV40)」のようなものであれば、できなくもないようですが、それでも機種によって洗い方や水抜きの仕方などが違うので、取扱説明書で正しい手順を確認する必要があります(KDDI)。
洗い方で気をつけたいのは、水温(セ氏5度〜35度の常温であること)、microSDスロットなどのキャップやカバーをしっかり閉じていること、利用可能なハンドソープ類を使うことなど。洗い終わったら、決してぬれた状態で充電を始めないようにし、完全に水抜きをして乾燥させる必要があります。
それ以外の防水スマホでは、洗うことを想定していない(ソフトバンク)、防水性能があっても、水洗いできると保証しているわけではない(ドコモ)ため、取扱説明書、もしくはメーカーサイトで要チェック。いずれにしても、「洗える」と明確にうたっていない場合は、水洗いや、ましてやハンドソープを使った洗浄は避けなければならないことが分かりました。
拭き筋が残ることがあるものの、乾いた布で拭き取れば、アルコール含有量70%程度の一般的なものなら問題ないとされている(ソフトバンク)、メーカーによって異なるので、取扱説明書や、メーカーサイトで確認してほしい(KDDI、ドコモ)という回答が得られました。
アルコールのような薬剤がスマホの部品に影響を与えるのでは? という質問に対しては、「外装表面のコーティングや印刷の剥離があり得る。また防水用パッキンはアルコールで劣化する可能性があるし、アルコールが接合部から染み込んで、接着用素材が侵される可能性がある」(KDDI)とのこと。
ドコモも「レザー、ゴム、プラスチックなどの素材が弱い。スマートフォンにアクセサリーを装着しているなら、(念のため)全て外してからお手入れをするように」とのことでした。
ソフトバンクからは「アルコールの付着で変色しているように見えることがある。拭き筋が残る。このような場合は乾いた柔らかい布で拭き取ること。また、マイクやスピーカー部などの開口部は、吹き残しがないように注意すること」との回答を得られました。
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