iPhoneとMacの“いいとこ取り”をした「iPadOS 16」 iPadは2つの方向に進化する石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2022年06月11日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 Appleは、6月7日(日本時間)にWWDCを開催。基調講演では、iOS 16、iPadOS 16、watchOS 9、macOS Venturaといった最新OSやそのAPIを紹介した。処理能力を高めたチップセットの「M2」や、それを搭載するMacBookも2モデル発表されている。開発者向けイベントで、Appleの製品群の全てを対象にしているため、その内容は多岐にわたるが、最も大きなアップデートといえそうなのが、基調講演のトリを飾ったiPadOS 16だ。

WWDC 7日に開幕したWWDCでは、iOS、iPadOS、watchOS、macOSの新バージョンが発表された。いずれも、7月にパブリックβ版の配信が始まる

 iPadOSは、iOSから“独立”する形で、2019年9月にリリースされた。iOSとベースは共通だが、iPadやiPad Proといったデバイスの特徴を生かした機能が盛り込まれている。Apple Pencilへの対応や、トラックパッド対応は、その一例だ。iPad専用の機能として、マルチタスキングも強化されてきた。一方で、MacをはじめとするPCと比較すると、マルチタスキングはやや中途半端だった印象も否めない。iPadOS 16では、こうした点が大きく改善される。

マルチウィンドウ的な機能がついにiPadで実現、その名はStage Manager

 その象徴といえるのが、複数のアプリを同時に開き、その組み合わせを管理するための「Stage Manager(ステージマネージャ)」だ。これまでのiPadOSにも2つのアプリで画面を分割する「Split View」や、メインで開いているアプリの上に小さな画面を重ねる「Slide Over」といったマルチタスキングの機能はあり、バージョンアップを重ねるたびに使い勝手には改善が加えられてきた。ただ、マルチウィンドウが大前提のPCと比べると、やはり制約が多かったのは事実だ。

iPadOS 16 アプリを左右に分割して表示するSplit View
iPadOS 16 Slide Overは、iPhoneのような縦長レイアウトのアプリをメインのアプリに重ねて表示する機能

 これに対し、Stage Managerが導入されたiPadOS 16では、複数のアプリをウィンドウとして開いておくことができる。メインで使っているアプリの背後に別のアプリをスタンバイさせておき、それらを切り替えたり、背後に配置したアプリの内容を参照しながらメインのアプリで作業をしたりといった使い方も可能。ウィンドウの配置を自由に行えるため、左右のスペースしか調整ができなかったSplit ViewやSlide Overよりも、自由度が増すといえる。

iPadOS 16 Stage Managerはアプリのウィンドウを重ねて表示でき、グループを作ってそれぞれを切り替えることも可能だ

 現行のiPadOS 15でも、Split Viewで画面を分割しつつ、Slide Overなりピクチャ・イン・ピクチャを利用すれば3つのアプリを同時に表示できるが、この自由度がなかったため、現実的な利用スタイルにはなっていなかった。特に11型のiPad Proや10.9型のiPad Airでは、ディスプレイサイズも相まって、同時利用は2つのアプリが限界。これに対し、Stage Managerでは4つのアプリを開いている様子が確認できる。画面内で自由にウィンドウを動かせるため、アプリを同時に開いておきやすくなったというわけだ。

iPadOS 16 アプリは4つまで同時に開けるようだ

 また、それぞれのウィンドウのサイズや比率を変更することが可能になる。Split Viewでも近いことはできたが、こちらの場合、変えられるのはあくまで横の長さのみ。アプリのウィンドウ1つ1つの大きさに強弱がつけられるのは、Stage Managerならではだ。iPadOSゆえに、PCのように、ファイルやフォルダを置いておけるデスクトップは存在しないため、操作のフローは変わってしまうが、ことアプリのウィンドウに関しては、かなり近い感覚で利用できるようになりそうだ。

iPadOS 16
iPadOS 16
iPadOS 16 メッセージアプリのサイズに注目。これまでのマルチタスキングと同様、横幅を変えられるのはもちろん、縦の長さも調整できるようになった

 さらに、iPadOS 16では、外部ディスプレイをサポート。Stage Managerを使って、それぞれの画面に異なるアプリを表示できるようになる。これまでのiPadOSでも、HDMIケーブルで接続した外部モニターへの出力はできたが、機能はミラーリングにとどまっていた。プレゼンや動画視聴の際に、iPadで表示したコンテンツをより大きな画面に映し出すには便利だった一方で、作業スペースでもある画面を拡張することはできなかった。マルチディスプレイ環境下でも、先に挙げたStage Managerに対応する。

iPadOS 16 外部ディスプレイに対応し、マルチディスプレイ環境での利用が可能になる。もちろん、Stage Manager対応だ
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  2. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  3. 「iOS 27」はアプリの起動速度が30%高速、最適な通信切り替えも iPhone 11やiPhone SE(第2世代)も対応 (2026年06月09日)
  4. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  5. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  6. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  7. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  8. 次世代の「Siri AI」発表 ユーザーを理解した応答が可能、表現力も向上 26年後半に英語から対応 (2026年06月09日)
  9. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  10. WWDCで「折りたたみiPhone」に言及なしも、Apple版「大画面×AI」に期待できるワケ (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー