総務省は6月22日、電気通信市場検証会議に付属する会議体「競争ルールの検証に関するワーキンググループ(WG)」の第33回会合を開催した。今回の会合では、同WGが取りまとめる予定の「競争ルールの検証に関する報告書2022(仮)」について、以下の4項目について同省が検討の方向性案を示した。
この記事では、「通信(回線契約)」と「端末」の分離の徹底に関する検討案を簡単に解説する。
昨今のWGにおける会合では、電気通信事業法第27条の3(移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為)の執行状況が大きなテーマの1つとなっている。
中でも、同法における「通信契約を条件とする利益提供(値引きやキャッシュバック)の規制」は大きなトピックとなっている。昨今、通信契約にひも付く割引と通信契約を条件としない(≒端末の単体購入でも適用できる)割引を組み合わせることで法規制(税別2万円)を超える割引を提供する事例が増えている(参考記事)。
法律上の立て付けとして、通信契約にひも付く割引と通信契約を条件としない割引を重畳適用すること自体に問題はない。ただ、端末の単体販売を拒否することで通信契約を条件としないはずの割引が結果的に通信契約にひも付いてしまう(≒違法状態になる)という問題が発生している。
一方で、法令を「盾」にしてある程度の値引きを受けた端末を単体で購入した後に売却する、いわゆる「転売ヤー」の問題が顕在化している。「値引き合戦」によってMNOや代理店が「消耗戦」のような状態となり、資金的な余裕の少ないMVNOや代理店は競争上不利になるという指摘もある。
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