先述の通り、最近は「通信契約を条件とする値引き」と「通信契約を条件としない値引き」の重畳適用が増えている。しかし、この重畳適用は通信契約を条件とする値引きはあくまでも原則税別2万円までということと、店頭において端末の単体販売が適正に行われていることが大前提となる。
そこで総務省は、以下の内容をガイドラインなどに盛り込むように報告書に記載することを提案している。
- 「単体購入用」と「セット購入用」で端末の在庫を区別しないようにすること
- 在庫区分を理由とする販売拒否を行わないようにすること
- 店頭の掲示物で「契約区分による在庫分けがないこと」や「端末単体で購入する際の価格」を示すこと
- 価格の表示方法は「通信セット時の価格と同じサイズで記載する」パターンと「端末単体価格を主として、通信セット時の追加割引を併記する」パターンを想定
- 販売代理店や販売スタッフに対する教育/研修・指導の徹底を促すこと
- 代理店に認知されない形での調査(覆面調査)を実施すること
- 代理店の評価指標が「上限2万円規制」違反を助長しうるものになっていないか継続的な調査を実施すること
- 調査体制について、個別事案の詳細把握/分析から是正措置まで図れるようにすることも検討
- 端末購入プログラムの正確な説明や周知徹底について、キャリアに対して努力を継続するように促すこと
端末単体販売時の価格については「通信契約とセットの場合の販売価格と同じ大きさでの表記」と、「単体販売時の価格を主とした上で、通信セット時の追加割引を併記する」という2パターンを想定しているようだ(総務省資料より、PDF形式)
総務省は、電気通信事業法の改正によって高価な端末を0円にした上で追加のキャッシュバックを行うような「極端な利益提供」を一定程度抑制できたという立場に立っている。そのため、同省は当面、市場の動向を注視しつつ電気通信事業法第27条の3の執行を適正化し徹底することに力を注ぐ方針を取るようだ。
一方で、同省は通信料金や端末の値引き状況によっては規制の在り方の見直しやさらなる規制措置の検討も必要との考えも示している。今後、携帯電話の端末料金はどうなっていくのだろうか……?
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