小型フラグシップ「Zenfone 9」発表、片手操作がはかどるUIやジンバル内蔵カメラを搭載 約11万円〜

» 2022年07月28日 22時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 ASUSが7月28日、フラグシップスマートフォンの新モデル「Zenfone 9」をグローバルで発表した。日本での発売は未定。価格は8GB+128GBモデルが799ユーロ(約10万9200円)。

Zenfone 9 小型のフラグシップスマートフォン「Zenfone 9」

 Zenfone 9は、幅68.1mmのコンパクトなボディーに5.9型ディスプレイを搭載したスマートフォン。カラーはMidnight Black、Moonlight White、Sunset Red、Starry Blueの4色で展開する。

Zenfone 9Zenfone 9 Midnight Black、Moonlight White
Zenfone 9Zenfone 9 Sunset Red、Starry Blue

 サイズは68.1(幅)×146.5(高さ)×9.1(奥行き)mm、重量は169gで、IP68の防水・防塵(じん)もサポートしている。片手で操作できるよう幅を70mm以内に抑え、小型ながら必要十分なバッテリー容量を確保できるよう、高さは145mm〜150mmに収まることを目指して開発した。

 先代のZenfone 8よりもプロセッサ、カメラ、バッテリー、放熱素材が大きくなったが、本体形状をフラットにして部品配置の効率化を図ることで、Zenfone 8から2%の小型化に成功した。背面には指紋の付きにくいマットな質感の素材を新たに採用しており、Zenfone 8より36%軽くなった。

Zenfone 9 部品の多くが大きくなったにもかかわらず、Zenfone 8よりも本体サイズが小さくなった
Zenfone 9 スクエアな構造にすることで部品を効率よく収めることができた
Zenfone 9 背面のパネルも刷新し、Zenfone 8より36%軽くなった

 ディスプレイはアスペクト比が20:9の5.9型、1080×2400ピクセルの有機ELを搭載。120HzのリフレッシュレートやHDR10+の表示に対応しており、最大輝度は1100ニト。強化ガラスとしてCorning Gorilla Glass Victusを採用した。

Zenfone 9 Samsung製の有機ELディスプレイを採用している

 プロセッサはQualcommのSnapdragon 8+ Gen 1を備えており、Zenfone 8のSnapdragon 888と比較して、CPUは15%、GPUは50%、電力効率は30%向上している。メインメモリは6GB、8GB、16GB、ストレージは128GBか256GBから選べる。容量4300mAhのバッテリーを内蔵しており、30Wの急速充電にも対応している。

Zenfone 9 Qualcommの最上位プロセッサ、Snapdragon 8+ Gen 1を搭載

 冷却システムを刷新し、Zenfone 8のヒートパイプに代わり、230%大きなエリアを確保したベイパーチャンバーを採用した他、銅とグラファイトシートの面積も拡大した。

Zenfone 9 放熱用の部品もZenfone 8より大きくなった

 アウトカメラは1/1.56型センサーを備えた5000万画素の広角レンズと、1200万画素の超広角レンズで構成される。広角カメラは静止画と動画の撮影に対応した6軸のジンバルスタビライザーを内蔵している。レンズとセンサー全体を動かすことで、従来の光学式手ブレ補正の1度以下よりも大きな最大3度の補正を可能としている。電子式手ブレ補正のアルゴリズムを組み合わせることで、被写体の動きを予測して滑らかな動画を撮影できるとしている。

Zenfone 9 5000万画素広角カメラ+1200万画素超広角カメラを搭載
Zenfone 9 Zenfone 8よりも広角カメラのセンサーサイズが22%、画素ピッチが56%大きくなっている
Zenfone 9 6軸のジンバルを内蔵している

 ナイトモードやHDR撮影も改善し、黒つぶれや白飛びを抑え、ディテールがより自然かつ鮮明に記録できるとしている。人物撮影では、肌のトーンが自然に出るよう改善した。人物の背景をぼかすポートレートモードも利用できる。シャッタースピードやISO感度、ホワイトバランスなどを手動で設定できるプロモードも用意している。動画はフルHDに加え、4K(30fpsまたは60fps)や8K(24fps)のサイズで撮影できる。

Zenfone 9 夜景では、遠くの看板の文字も捉えている
Zenfone 9 ポートレートはスキントーンを自然に表現できるという

 インカメラはオートフォーカス(全画素を用いるデュアルPD)に対応した1200万画素を備えており、Zenfone 8よりもスキントーンがよりナチュラルに表現できるようになったという。

 片手操作に最適化したUIとして「ZenTouch」を採用。Zenfone 8ではディスプレイに内蔵していた指紋センサーを、Zenfone 9では側面の電源キーに搭載した。これは、片手で握ったときに親指で自然と触れられる位置に指紋センサーがあり、よりスピーディーにロックを解除できるため。ASUSはこれを「Smart Key」と呼んでおり、このキーからショートカットを呼び出せる。呼び出す操作は2度押し、スライド、長押しなどがあり、ショートカットにはGoogle Playや決済アプリ、その他任意のアプリを設定できる。Smart Keyの操作は指紋認証も兼ねているので、ユーザーはロック画面でこのキーに触れるだけでショートカットを呼び出せる。

Zenfone 9 指紋センサー一体型の電源キーからショートカットを呼び出せる

 この他、ショートカットをまとめた一覧を別ウィンドウで表示する「Edge Tool」、背面をダブルタップすることでカメラを起動したりスクリーンショットを撮影したりできる「Back Double Tap」機能も用意した。

Zenfone 9 片手操作に適したUIも用意

 12×16mm、10×12mmで構成されるステレオスピーカーや、3.5mmイヤフォンジャックを備えている他、Snapdragon Soundもサポートしている。SIMはnanoSIM×2のDSDV(5G+5G、デュアルSIM、デュアルVoLTE)に対応。OSはAndroid 12(ZenUI 9)をプリインストールしている。

Zenfone 9 デュアルスピーカーや3.5mmイヤフォンジャックを搭載

 なお、Zenfone 8シリーズではフリップ式のカメラを搭載した「Zenfone 8 Flip」を投入したが、今回はZenfone 9のみの投入となる。

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