「Nothing Phone (1)」のカメラは清く正しく高画質 ミドルクラスとしては大盤振る舞い荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)

» 2022年08月21日 10時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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50Mモードとの使い分けのポイントは

 Nothing Phone (1)はデュアルカメラが両方とも5000万画素なのだが、12Mモードと50Mモードを簡単に切り替えられるのがいい。

 カメラアプリの画面からメニューを引き出して「50MP」にするだけだ。これは素晴らしい。

Nothing Phone (1) 通常の写真モードで12Mと50Mをさっと切り替えられるのは便利。別の撮影モードにしなくていいのだ

 ではこの逆光のシーンで12Mと50Mを撮り比べてみたい。使ったのは超広角カメラだ。ちなみに中世の城跡。左手に少しこんもりしているのは土塁のあとだ。

 50Mモードの方がディテールの描写力は高いのだけど、空を見ると違いが出ている。50Mモードでは「HDR」が効かないのだ。

Nothing Phone (1) 12Mで撮影。HDRが働いて空の青さを出しつつ木々もしっかり撮れている
Nothing Phone (1) 50Mで撮影。ディテールは細かく出ているが、HDRが効かない分、空が白トビしてしまっている

 ただ描写力は高いのでうまく使い分けたい。これは広角カメラで50Mモードで撮った五重塔。

Nothing Phone (1) こういう被写体だと、50Mならではの解像感の良さがすごく出る

 12Mで撮ったものと比べると、HDRが効かない分、空の描写に差が出る。

Nothing Phone (1) 左が50Mで撮ったもの、右が12Mで撮りHDRがかかったものだ

 でも等倍で見比べると、このくらいなら50Mで撮りたい、と思う。

Nothing Phone (1) 等倍にすると、ここまでディテールの描写が違うのだ

 うまく使い分けてくださいねって感じだ。

意外にイケるぞNothing Phone (1)

 とまあ、Nothing Phone (1)ならではの機能を見た後は、いつものようにいろいろと作例タイム。

Nothing Phone (1) ではいろんなシーンを撮ってみるのだ

 風景からは五重塔。青空と緑と赤い塔のRGBな感じが実に気持ちよくわざとらしいきれいさだったのでつい。

Nothing Phone (1) 緑と赤と青がきれいに映えていたのでつい。よいお天気でした(酷暑だったけど)

 続いて近距離のもの、ということで、花と民芸品。

Nothing Phone (1) 半逆光の状態で花。背景も柔らかくボケてていい
Nothing Phone (1) 軒先に並ぶ民芸品がキュートだったのでさっとスナップ

 天候に恵まれたこともあってきれいに撮れているよね、ということで、次は室内へ行って料理を2つだ。

Nothing Phone (1) 見た目は不思議なオリジナリティーあふれるだんご達。これが意外にイケるのだ。2xのデジタルズームで撮影。ただ室内の照明にちょっとひっぱられたか
Nothing Phone (1) カレーライスとサラダ。白い皿は白く、料理もいい感じに取れている

 2枚目の方が白いものがきちんと白く描写されていてきれいに撮れている。いろんな照明の下で撮ってみたが、オートホワイトバランスにちょっと不安定さが見られるようだ。難しいところではあるのだけど、まだまだチューニングでレベルアップできそうではある。

 暗くなったらナイトモード。独立したナイトモードがあるわけではなく、ある程度以上暗くなると右下に月アイコンが出る。そのまま撮ればナイトモード。月アイコンをタップしてそれを解除すれば通常のモードで撮影できる。

Nothing Phone (1) 暗所では自動的にナイトモードになる(右下の月アイコン)

 夜の団地の電話ボックスだったんだが、HDRの処理の関係か、薄い雲に隠れた月のあたりが少し不自然になってしまった。月だけが明るかったのでそこを無理に処理しようとしちゃったか。それ以外は文句ない写りだ。

Nothing Phone (1) 夜の電話ボックスと公園。雲に隠れた月の周りが残念だけどそれ以外は文句なし

 もう1つ、いつもの夜景を。

Nothing Phone (1) シャドー部とハイライト部のバランスは良い

 最後は人物。顔を見つけると赤い枠が出る。枠が赤いというのはちょっとどうかなと思うけど。赤は警告の意味で使われるものだから。

Nothing Phone (1) 人を見つけると赤い枠が出る。全体に「赤」がポジティブな意味合いで使われているけど、それはまぎらわしいかなと思う
Nothing Phone (1) いい感じにHDRが働いて顔は明るく、背景も白トビせずにおさまってくれた

 続いてポートレートモード。ポートレートモード時はぼかす量とビューティーの度合を設定できる。今回は特にビューティーモードはしてない。

Nothing Phone (1) ポートレートモード。ビューティーと絞り値を設定できる
Nothing Phone (1) 背景をボカしてみた

 ポートレートといっても要するに背景ぼかしなので被写体は人物じゃなくてもOK。店頭の民芸品をアップで背景を大きくボカしてみた。

Nothing Phone (1) 近距離でも背景ぼかしは効くので、こういう撮り方もよし

 インカメラは1600万画素でF2.45。センサーサイズはちょっと小さい。

Nothing Phone (1) インカメラで自分撮りしているの図

 インカメラ時はHDポートレートをONにすると肌がちょっと調整されていい感じになる。

Nothing Phone (1) インカメラでHDポートレートをONにして撮影

 最後におまけで、超広角カメラで50Mで撮った駅前のウルトラマンでも載せておく。祖師谷大蔵駅前はかつて近くに円谷プロがあった関係で「ウルトラマン商店街」と名付けられており、駅前にウルトラマンの像がそびえているのだ。

Nothing Phone (1) 超広角らしく遠近感を強調した写真を撮ってみた。超広角で50Mの高精細だ

ミドルクラスのカメラとしては予想以上に使えたのだった

 静止画中心に見てきたが、動画は超広角でも広角でもどちらでも4Kで30fpsの動画に対応。どっちのカメラでも4Kでイケるってのがいい。

Nothing Phone (1) 動画モード。4Kで30fpsの動画を撮影できる
Nothing Phone (1) 4Kで撮った動画の1フレームを切り出したもの

 HDR動画も可能だが、それは広角カメラで1080Pのみとなる。

 この価格帯でしっかり4K動画を撮れて、スローモーションも1080Pで120fps(つまり4倍速のハイスピード動画を撮れる)なのは素晴らしい。

 実際にあれこれ使って見て思ったのは、デザイン重視でカメラ機能はそこそこの端末かなと思っててすみません、ってこと。

 まだ不安定なところはあるけど、5000万画素の広角カメラは実にクオリティーが高いし、超広角カメラも同じく5000万画素で広角カメラと同じように使えるのもいい。

 個性的なデザインでなおかつ写真もちゃんと撮れて、価格的にも手を出しやすい端末としてイケそう。

モデル:長谷川実沙

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