「Nothing Phone (1)」は画期的か、画一的か “明確な差別化”には疑問も

» 2022年08月03日 14時33分 公開
[山本竜也ITmedia]

 英Nothing Technologyが、同社初なるスマートフォン「Nothing Phone (1)」を7月21日に海外で発売しました。日本でも8月に発売予定となっています。価格は8GB+256GBモデルが6万9800円。Nothing製品としては、2021年に発売したワイヤレスイヤフォン「ear (1)」に続く2製品目で、ear(1)と同じく透明なデザインが特徴となっています。

 ロンドンに拠点を置くNothing Technologyは、中国OnePlusの共同創設者であるカール・ペイ氏が2020年10月に立ち上げたベンチャー企業。スマートフォンのリリースは、2020年の立ち上げ当初から念頭にあったとのことです。ソニーと任天堂にインスピレーションを得て、見ただけでNothing製品だと分かるデザインを目指したという同社の製品。そんなNothing初のスマートフォンは、確かに背面デザインを見れば、Nothing製品だということが分かります。透明なボディーで単に中身を見せるだけではなく、見える部品をもデザインすることで洗練した印象を与えています。

Nothing Phone (1) Nothing Technology初のスマートフォン「Nothing Phone (1)」

 背面には独自のGlyph Interfaceという独自のライティングシステムを備えます。着信相手によって発光パターンを変えたり、充電時にバッテリー残量を表示したり、撮影時に被写体を照らすライト代わりに使ったりと、Nothing Phone (1)を特徴づけている機能です。

Nothing Phone (1) Nothing Phone (1)の背面に光るGlyph Interface

 ただ、画一的になっているという他のスマートフォンとの明確な差別化ができているのかというと、疑問が残ります。確かにデザイン的には優れた製品でしょう。外観を見てすぐにNothing製品だと分かるという意味では、コンセプトの体現には成功しているともいえます。また、Nothingがメディア向けに公開した資料によると、Nothing Phone (1)では「視覚のズレを減らし、かつユーザー体験を向上させるために」4辺が同じ幅の画面デザインを採用。本体の角についても統一性を持たせており、これはAndroidスマートフォンでは初めての試みだとしています。

Nothing Phone (1) 背面を見ると、確かにNothing Phone (1)らしさは感じられます

 どことなく、BALMUDA Phoneのリリース時に話されていた「他のスマートフォンは画一的」「直接を一切使っていないスマートフォン」という話を思い出してしまいますが、本体デザインそのものに特徴があったBALUMA Phoneと比べ、Nothing Phone (1)は背面のデザインを除けば、他のスマートフォンと見分けが付きません。その背面についても、多くの人がケース・カバーの類を装着してしまうであろうことを考えると、画一的だとするAndroidスマートフォンの域を出ておらず、自分たちのデザインがいいものだと誇張するために、他のスマートフォンを下に見ているという印象も受けてしまいます。

Nothing Phone (1) 正面からは、Nothingらしさといったものは感じられない

 とはいえ、Nothing Phone (1)は同社にとって最初のスマートフォンであり、実現したかったことの全てが詰め込まれているわけでもないでしょう。投資家にアピールするためにも、ある程度形になったものを早々に市場投入する必要があったとも考えられます。その意味では、真価が発揮されるのは次期製品以降となるのかもしれません。その登場を、Nothing Phone (1)が市場に受け入れられるのかどうかも含めて注目していきたいところです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 「Suicaのペンギン」卒業騒動にまつわる背景と誤解 JR東日本に聞いた (2025年11月14日)
  2. “折りたたみiPhone”だけじゃない もうすぐ開催のAppleイベントで登場する新製品のうわさを総まとめ (2026年09月08日)
  3. 折りたたみiPhoneは30万〜40万円超に? ダミー画像から見えたスペックと品薄の懸念 (2026年09月07日)
  4. ドコモの純正スマートウォッチがAmazonで14%オフの約6000円に 心拍や睡眠の測定も可能 (2026年09月08日)
  5. なぜLINEは“ちょっとした気遣い”で重宝された「ミュートメッセージ」を有料化したのか? (2026年09月08日)
  6. 「おサイフケータイ」のリセット方法を改めてチェックする(新しめの機種限定) (2026年09月07日)
  7. 3COINSで1320円の「コイル充電ケーブルAtoC」を試す 伸縮式よりも“ラフ”に扱えて便利 ただしキーボードにはアンマッチ? (2026年09月08日)
  8. 車内を大画面エンタメ空間にする「VANBAR ディスプレイオーディオ」がセールで20%オフの2万8777円に (2026年09月08日)
  9. 「Pixel 6a」で製品起因が疑われる発火事故が発生 消費者庁が「消費生活用製品の重大製品事故」として公表 (2026年09月07日)
  10. パスポート型折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold8」と「HUAWEI Pura X Max」の実機比較で見えてきた違い (2026年09月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー