日頃よく手にする携帯電話。コロナ禍でアルコール消毒による対策がさまざまな所で推奨されているが、そもそもアルコール類での消毒はできるのか、メーカーが推奨するクリーニング方法はあるのか。Apple、Google、サムスン電子ジャパン、ソニー、シャープ、FCNTの公式Webサイトや、広報の回答をもとにまとめた。
Appleが公式WebサイトでiPhoneのお手入れに関する内容を公開している。
それによると、70%イソプロピルアルコール含有ワイプ、70%エチルアルコール含有ワイプ、クロロックス除菌ワイプ(Clorox Disinfecting Wipes)を使い、iPhoneの外表面を優しく拭き取る分には問題ないという。
漂白剤(ブリーチ)や過酸化水素を含む製品は使えない。洗剤類の中にiPhoneを浸す行為もNGとなっている。
iPhoneには耐指紋性撥油コーティングが施されているため、洗浄用品や研磨剤を使うと、コーティングがはがれ細かい傷が付く恐れがあるという。
しみやその他の損傷の原因となるもの(ほこりや砂、インク、化粧品、石けん、洗剤、酸や酸性の食品、ローションなど)が付着してしまった場合、以下の手順に従ってすぐに掃除してほしいとしている。
※開口部に湿気が入り込まないように注意しよう
iPhone 13/12/11シリーズの背面かカメラ周辺はマット加工が施されたガラス製となっている。例えば、デニムのポケットの中の物と重ね合わせて使うと、マットガラスに素材が移った形跡が見られる場合があるとのこと。その場合、傷のように見えることがあるものの、たいていは取りのぞけるそうだ。
Touch IDの認識精度が上がるように、iPhone SEやiPhone 8などのホームボタンを清掃するには、糸くずの出ない柔らかい布を使おう。強い力をかけて拭き取らず、やさしく拭き取ろう。
GoogleはPixelの名を冠したスマートフォンの汚れを落とす方法を公式Webサイトで公開している。手順は次の通り。
ディスプレイは画面用拭き取りシートや眼鏡用クリーナー、背面と側面は一般的な家庭用石けんや漂白剤無配合の掃除用シートが使える。
筋、汚れ、ほこりには、乾いた布が、化粧品や新しいジーンズなどの色移りには、湿った布の使用が推奨されている。
除菌については一般的な家庭用除菌シートまたは濃度70%のイソピルアルコールベースのシートが推奨されているが、漂白剤配合タイプのシートは使えない。
サムスン電子ジャパンはGalaxyブランドのスマートフォンの清掃方法を公式Webサイトで公開している。手順は以下の通り。
同サイトでは、清掃時、開口部に水分が入らないようにし、Galaxyスマートフォンに直接液剤を使用することは避けてほしいとしている。
必要に応じて、クロスの端を少量の蒸留水や、次亜塩素酸ベースの製品(50〜80ppm)やアルコールベースの製品(70%以上のエタノールまたはイソプロピルアルコール)などの消毒剤で湿らせ、力をかけすぎないようにしながらGalaxyスマートフォンの前面と背面を優しく拭き取るよう呼びかけている。
特にGalaxy FoldやGalaxy Flipといった折りたたみスマートフォンは、超薄型ガラスをベースにしたInfinity FlexDisplayを搭載しているため、圧力をかけたり細い物でひっかいたりすると、極薄ガラスの保護レイヤーに傷や損傷が生じる可能性がある。あまり力をかけずに優しく拭き取った方がいいし、布や堅い物をディスプレイに挟んで拭き取るのも避けるようにしたい。
ソニーが推奨しているお手入れ方法は下記の通り。
Xperiaの表面は少量の消毒用アルコール(※)が含まれた柔らかい布で拭き取れる。拭き取り時の痕残りについては、柔らかい布(眼鏡拭きやスマホ用クリーニングクロスなど)で拭き取れる。
側面は乾いた柔らかい布(眼鏡拭きやスマホ用クリーニングクロスなど)で拭き、USB端子やイヤフォンジャックの中へ布のケバが入らないように注意しよう。
※2017年発売のXperia XZs 602SO以降の機種において、市販の消毒用エタノール(76.9〜81.4%)添加物イソプロパノール(イソプロピルアルコール)で検証しており、これより濃度の濃い薬品や工業用薬品の使用は不可としている
なお、Xperiaの場合は抗菌仕様の純正ケース(一部を除く)が展開されているので、それを使って清潔に保つのもありだろう。例えば、背面にスタンドが付いた「Style Cover with Stand for Xperia 1 IV XQZ-CBCT」なら、表面に抗菌加工が施されているため、ブドウ球菌など特定の細菌の増殖を最大99.9%抑制できるという。
シャープはスマートフォン・携帯電話のクリーニング方法を公式Webサイトで公開している。手順は以下の通り。
シャープ広報によると、一般的な除菌シートの主材料であるエタノール(70%)での拭き取り試験を実施した結果、塗装の剥がれや変色、退色に大きな変化がないことを、2017年度以降発売のスマートフォン・携帯電話で確認したという。
防水性能を有している機種なら水洗いが可能だが、アルコールを直接かけることや、石けんで洗うことは推奨されていない。
FCNTはNTTドコモ向けの「arrows Be F-04K」以降、いくつかの機種において「洗える」点を売りの1つにしている。
最近だとNTTドコモの「arrows Be4 Plus F-41B」「arrows NX9 F-52A」、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが扱う「arrows We」も洗える点を売りにしている。
これらのモデルはハンドソープで洗える他、水道水などで洗うことが可能となっている。注意事項をいくつかの項目に分けて説明する。
国内メーカー製の家庭用泡タイプのハンドソープあるいは国内メーカー製の家庭用液体タイプの台所用洗剤を使って洗える(FCNTの試験方法による)。
洗うときにハンドソープなどが端末のSIM/microSDスロットなどから侵入しないように、あらかじめキャップ類をしっかりと閉めておく必要がある。ハンドソープが付いた状態で端末を放置せず、端末に付着した泡を水道水でしっかりすすぐ。
FCNTによると、界面活性剤(台所用洗剤)、界面活性剤(家具用洗剤)、次亜塩素酸水、アルコールを使用し、噴霧、拭き取りまたはその両方を合わせて消毒、ウイルス除去を行えるという。噴霧方法と拭き取り方は次の通り。
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