充電速度についてもXiaomiやvivoでは200Wクラスの充電が可能な機種も現れており、これらに対応した機種は10分程度でバッテリーをフル充電できてしまう。
どちらもただ充電速度が早いだけではなく、発熱しないよう最適な充電を行うために電源管理チップを別搭載したり、劣化しにくい高品質なバッテリーを開発したりするなど、基礎研究にも力を入れている。
筆者も120W充電に対応したXiaomiの「POCO F4 GT」を利用したが、こちらも高速で充電しながらも発熱は抑えられており、安全性にも配慮されていると感じた。また、画面点灯時は充電速度が抑えられるなどユーザーの利用状態に応じて制御されている。
iPhone 14 Proなどに採用された衛星通信機能も新しい機能だ。緊急時にSOS信号を発信して助けを求めるこの機能は、北米やカナダに続き、フランス、ドイツなど欧州の一部地域でもサービスが始まった(日本でのサービス開始日時については現時点では未定)。
衛星通信は日本でも注目されている。KDDIは2021年9月からStarlinkと業務提携しており、2022年に入りバックホール回線として利用することで順次山間部や離島での通信速度改善に力を入れている。
また、大型のアンテナを使って地上に直接電波を届ける「衛星基地局」を模索する動きも活発だ。楽天モバイルは米AST SpaceMobileの「スペースモバイル」プロジェクトに参画し、日本における実証実験を行うなど、通信エリア改善と冗長化も踏まえ各社多くのアプローチがなされている。
iPhoneは米Globalstarの衛星を利用しており、こちらは低軌道衛星によって地球上をカバーしている。一方、通信できるトラフィックは限られるため、現時点では緊急信号とショートメッセージのみになる形だ。衛星の性能向上や数の増加で多くのトラフィックをさばけるようになると、将来的には音声通話やデータ通信も可能になるだろう。
Android端末では先行してHUAWEI Mate 50シリーズが中国で衛星通信のサービスに対応している。こちらは北斗(中国版GPS)の機能を利用している。また、Googleの幹部が次バージョンのAndroid OSでは衛星通信対応に言及するなど、低軌道衛星による大容量高速通信の幕開けとともにスマートフォンの衛星通信機能は2023年以降のトレンドの1つになってくるはずだ。
ほんの20年足らずで近年のスマートフォンはあらゆる機能を手にしてきた。この「片手に収まる小さな魔法の箱」はどこまで進化を続けるのか。2023年以降も注視して動向を探っていきたい。
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