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WAONを持つイオンがスマホ決済「AEON Pay」を強化するワケ カギは「iAEON」アプリ(1/2 ページ)

» 2023年04月11日 13時00分 公開
[綿谷禎子ITmedia]

 イオンのコード決済サービス「AEON Pay(イオンペイ)」が、イオングループ以外の加盟店にも拡大中。既に電子マネーの「WAON」、クレジットカードやデビットカードの「イオンカード」がユーザーに定着する中、あえて新たな決済方法を推進する狙いとは? AEON Payを始めた経緯やその戦略について聞いた。

AEON Pay は「iAEON」の1つの機能として搭載された

 イオンのトータルアプリとして、2021年9月1日よりスタートした「iAEON(アイイオン)」。その1つの機能としてAEON Payは搭載された。

香下大樹 AEON Payを担当する、イオン DX推進担当 iAEON推進チーム リーダーの香下大樹氏

 「イオングループには多数のアプリがありますが、それぞれグループ各社が自社で提供していて、ログインIDもバラバラでした。それでは使い勝手が悪いので、イオンの共通IDを設定。それぞれのアプリやサービスにつながるプラットホームとしてiAEONを作りました。イオンはリアルの店舗には強いのですが、オンラインには弱いという側面があります。そこでオンラインのチャネルを作るためにも、iAEONがフックとなるのではと考えました」と、iAEONのアプリ運営に関わるイオン DX推進担当 iAEON推進チーム リーダーの香下大樹氏は話す。

 イオングループのさまざまなアプリを連携させ、1つにまとめる役割を担うiAEON。「モバイルWAON」やAEON Payでの支払い、イオングループやWAON加盟店でたまる「WAON POINT」の利用や照会、交換ができる。よく買い物する店舗を「お気に入り店舗」として登録することで、店舗からのクーポンやキャンペーン情報などを簡単に確認することもできる。

AEON PayAEON Pay iAEONアプリのホーム画面(写真=左)。お気に入り店舗のキャンペーンやクーポン、チラシなどが確認できる(写真=右)
AEON Pay 連携するイオンのサービス。ネットスーパーにも連携する

 このiAEON にイオンマークのついたクレジットカードやデビットカードの「イオンカード」を登録することで、全国のイオングループ店舗で、AEON Payでの決済ができる。これにより、イオンカードを持ち歩かなくても、スマホだけで決済できる。

 「スマホ1つで何でも行うという若いお客さまが増えています。そこでイオングループのサービスもスマホだけで完結したいという思いがあって、それを実現するためにコード決済のAEON Payを搭載しました」と香下氏はAEON Pay誕生の経緯について説明する。

 iAEONのサービス開始当初、連携する事業会社は7社程度だったが、今では27社まで拡大。アプリのダウンロード数は約400万件にもなった。iAEONという名称は、お気に入り店舗など、自分だけのイオンを決められることや、「ポイント」「支払い」「コンテンツ」が1つになったスマホサービスとして、「私の〜」という意味の「アイ」を用いたそうだ。

AEON Payをフックにイオンカードを若い世代にも広げる

 AEON Payを利用するためにはイオンカードが必要。持っていない人はiAEONから入会の申し込みをし、カードが到着するまでの間、バーチャルカードを使ってAEON Payの決済を利用できる。

AEON PayAEON Pay AEON Payの決済画面(写真=左)。利用明細も確認できる(写真=右)

 「カードの入会審査はリアルタイムで行うので、申し込みさえ終われば、最短5分でAEON Payが使えるようになります。今後、プリペイドカードからチャージする方式にも対応する予定で、2023年度の上期中での開始を目指しています」と、AEON Payを金融サイドから運営する、イオンフィナンシャルサービス グループマーケティング本部長 兼 決済戦略チーム リーダーの荒木悟氏は言う。今後、銀行口座からのチャージなどにも対応していく予定だ。

 イオンカードのデザインも2022年11月にリニューアルした。カードをかざして支払うタッチ決済にも対応。カード番号や氏名、有効期限は裏面に表示し、カード情報ののぞき見を防げるスタイルになっている。

AEON Pay イオン銀行のキャッシュカード、クレジットカード、電子マネーWAONが1枚になった「イオンカードセレクト」。年会費無料、国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB
AEON Pay カード情報は裏面に集約する

 「22年ぶりにカードデザインを変更しました。従来カードのなす紺の色はそのままに、全ての世代の方に永く愛されるシンプルなデザインを目指しました。普段、イオン店舗との接点が薄い若い世代の方にもお持ちいただきたいと思っています」と荒木氏。

 イオンカードはイオンのスーパーなどでお得なカードということもあり、利用者は40代〜50代の主婦層がメイン。これを20代〜30代にも広げるべく、アンダー29限定のプロモーションなども行う。

AEON Pay 新規入会や利用者に向けてのキャンペーンに加え、29歳以下には5%キャッシュバック特典も用意(〜2023年5月10日までに申し込み)

AEON Payの広がりがタッチポイントの拡大につながる

 AEON Payは、2022年10月にイオンカード公式アプリとして登場した「AEON WALLET」にも搭載された。イオンカードの利用明細やポイント、キャンペーンの確認に加え、AEON Payで決済も行える。

AEON Pay AEON WALLETアプリ

 昨今、小売業界が危機感を抱く若い人のスーパー離れは、コロナ禍をきっかけに加速。食料品などは買いに行くのではなく、届けてもらうという認識に変わりつつある。そのためイオングループでもデジタル化の取り組みを強化する。

 「iAEONはイオングループ全体のタッチポイントとして、リアルはもちろん、ネットスーパーの入口にもなります。現在、イオンシネマのチケットを購入できますが、トータルアプリを目指して、今後はエンタメにも力を入れていく予定です」と香下氏。イオングループ以外のサービスも採り入れていく考えだ。

荒木悟 イオンフィナンシャルサービス グループマーケティング本部長 兼 決済戦略チーム リーダーの荒木悟氏

 「スマホ決済ならやってみようという新しい層の獲得が目的です。イオンの金融グループは各都道府県に営業拠点を持っています。これまでならイオンカードが使えるお店を広げていましたが、今はAEON Payの加盟店を拡大することに大きくかじを切りました。ナショナルチェーンと地域ローカルのどちらも視野に入れているので、QRコードをお客さんに読み取っていただく方式もすでにAEON Payに導入済みです」と荒木氏も力を込める。

 AEON Payはイオングループだけでなく、ヤマダ電機、アルペン、アリさんマークの引越社、東横INN、松屋など、さまざまな業種のサービスでも利用できる。AEON PayやiAEONが若い人をはじめとする多くの人のタッチポイントとなり、イオンを利用する人の生活圏を広げるための役割を担っている。

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