シャープは4月17日、「創業111周年記念イベント」を開催した。シャープの創業以来の代表的な製品の展示し、技術開発の動向を紹介した。
「創業111周年記念イベント」は、シャープ幕張事業所にて実施された。同社の取引先や関係自治体や各国大使、有力政治家など、招待客約500人が参加した。
111周年記念イベントに登壇したシャープの呉柏勲(ロバート・ウー)社長兼CEOは、「Sharp Technology Day」を2023年11月11日に実施すると発表した。
「Sharp Technology Day」は、シャープが独自に開発の技術を公開し、今後の技術戦略を紹介する技術展示会だ。展示内容や開催場所などの詳細は未定で、今後案内するとしている。
イベントでは、シャープの技術開発の展望の一端を紹介した。2023年度以降の技術開発では、「AIイノベーション」「グリーンイノベーション」「コミュニケーションイノベーション」の3つのテーマを掲げ、技術革新を目指すという。
このうち、AIについては、注目が集まっている「生成AI」を活用する方針を表明した。シャープは、AIoT家電やAQUOSスマートフォンの「エモパー」などで、“家電・スマホがしゃべる”機能を提供している。研究開発では、この家電のAIエンジンを強化し、よりスマートな受け答えや、省電力性能の改善などを図る。また、日々の健康管理を手助けする機能や、災害時に人のいる場所を救助隊に伝える機能を搭載する家電の開発を進めるとしている。
グリーンをテーマとした技術では、塗って製造する次世代の太陽光電池や、E Inkとの提携により開発中の省電力な大型ディスプレイなどを紹介。モバイル通信技術と組み合わせることで、外部電源なしで駆動し、遠隔で情報更新が可能な、看板型のデジタルサイネージなどが実用化できるという。
そして通信領域では、6Gにおける研究開発に取り組んでいることを紹介した。この分野でのシャープの強みは、技術開発の蓄積だ。同社は5Gや映像規格に関連する特許保有数では、いずれも国内1位としている。衛星通信によるIP放送など、“通信と放送の融合”の実現に向けた技術開発を進めているという。
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