と、10倍の望遠カメラを堪能したところでいつものガスタンクから2億画素の話へと行きたい。
超広角は13mm相当。1200万画素だ。
広角カメラは23mm相当で2億画素だが、基本的に「16画素を1つにまとめて」使う設計になっているので割り算すると、約1250万画素。それを1200万画素分の4000×3000ピクセルの画像として保存する。
天候に恵まれたこともあって、色も爽やかで鮮やかですばらしい。
でも結局1200万画素で使うなら、そこまで画素数を上げる必要があるのか。その答えの1つはAF性能にある。「スーパークアッドピクセルオートフォーカス」(片仮名で書くとよりすごそうだ)。細かく分けた画素を使って像面位相差AFを仕掛けるのである(例えば、AQUOS R8 ProのOcta PD AFもその一種)。
続いて3xと10x。この2つの望遠カメラの画素数は1000万画素(そこから1200万画素の画像を作っている)だしセンサーサイズはちょっと小さいしで基本性能自体は超広角や広角カメラには劣るけれども(実際、発色や階調はに差が出ている)、光学ズームならではの解像感がある。
さらに、S23 Ultraでは「スペースズーム」と称して30xと100xというべらぼうなデジタルズームにも対応している。
30xになると画面左上に全体像が表示されてその中で実際に撮影されるエリアを示してくれるので撮りやすい。
さすがに100xともなるとディテールがペンキで塗ったようになるので、これは月撮影用といっていいかも。通常の利用では快晴時に30x、が実用面では限界かな。
さてちょっと話は戻って2億画素の広角カメラ。このカメラを使うときは別途5000万画素モードと2億画素モードの2つが用意されている。
簡単にいえば4画素を1つにして使うのが5000万画素モード(2億画素の4分の1サイズだ)、フルに使うのが2億画素モードだ。
もちろん2億画素モードの方が細かいところまで描写されるが、センサーの画素数が2億画素とはいえ、4×4の16画素ずつ同じ色の画素が固まるという特殊な仕様。同じ色ばかり集まっていると、ディテールの情報量が足りなくなる。それをなんとかするために「リモザイク」という処理をかけているわけだが、4×4だとかなり難しいようで、実用的なのは5000万画素モードかなと思う。
ちなみに、1200万画素の2xズームより5000万画素で撮った方がディテールはしっかり出ていたので、ひと手間かけられるなら5000万画素モードで撮って、あとから必要な部分をクロップして使うのもいい。
こちらは50MPモードで撮った噴水の部分拡大。これだけピシッと撮れてくれるのである。
ちなみに、撮ったのは「Expert RAW」というマニュアル撮影やRAW撮影ができるアプリ。
噴水を見つけたので水の動きを止めようとシャッタースピードを調節してマニュアル撮影ができる「Expert RAW」アプリを使ったのだ。
このアプリでは5000万画素モードでのRAW撮影も可能だが、2億画素モードのRAW撮影はできない。リモザイクの処理が重いのだろう。
Expert RAWではDNG形式(Adobeが開発したRAWデータの形式)で保存されるので、Lightroomなどアドビのアプリの他、さまざまな写真現像アプリで現像できる。
このExpert RAWアプリでは多重露光撮影や天体撮影といった特殊撮影もできる。
特に天体撮影モードは面白い。スカイガイドをオンにすると、該当する方向に見えるはずの星図を重ねて表示してくれるのだ。
長時間露光が必要なので三脚あるいはそれに相当するアイテムが必要だが、なかなか面白い趣向だ。
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