サムスン電子のGalaxyシリーズで最もハイエンドなカメラを搭載するのが、SシリーズのUltra。今回のS23 Ultraはメインカメラが「2億画素」。夜に強くて、望遠カメラは「10倍」で、最高で100倍まで引っ張れて「月」を見つけると自動的に月撮影モードになるという代物だ。
ここまでやるか、というくらいさまざまな角度からカメラを強化していくシリーズである。
最初に基本だけおさえておこう。
Galaxy S23 Ultraの背面を見ると、穴がいっぱいあっていくつのカメラを仕込んでいるんだよ、と思うわけであるが、答えは4つ。
1つはLaser AF用なのでカメラではないのだ。それぞれをもうちょっと細かく見るとこんな感じ。
メインカメラとなる広角カメラは2億画素で大きめのセンサーを搭載しているが、超広角カメラと望遠カメラのスペックは1年前のS22 Ultraと同じなのだけど、10xのカメラ積んでいるとか2億画素のカメラ積んでいるとか、カメラが全部で4つあるとか、もうそれだけでやたら目立つ。
そんなS23 Ultraを持ち出して、さて何を撮ろうかなと思いつつ歩いていると、遠くからごう音が聞こえてきたのである。
この音からして、けっこう近いところを通過するに違いないとS23 Ultraを撮り出してとっさに10倍の望遠に切り替えて撮ったのがこれ。
いきなりこれが撮れるとは思わなかったですよ。しかもけっこう低いところを飛んでいる(もう車輪も出ているし)旅客機をしっかりフレームの中央で捉えられているってことは、レスポンスもいいってことだ。撮りたいタイミングでしっかりシャッターが切れているってことだから。
旅客機はあっという間に通過していったので視線を落とすと、猫を発見。ちょっと離れたところを走っていったので、思わず流し撮り。思ったよりちゃんと流し撮りになっていてびっくり。
せっかくなので10x望遠でもう1枚。鉄橋を走る電車だ。
というわけで、いきなり10倍望遠の話からになってしまった。ここまで望遠で撮れるとつい使っちゃう。
10xの望遠カメラには、光を90度曲げて横向きに仕込まれたレンズに光を入れるというペリスコープ型(屈曲光学系)を採用している。センサーも小さくてF4.9と暗めであるから、明るい場所でないとつらいけれども、昼間ならこれだけ「スマホらしからぬ瞬間」を撮れる。10倍の望遠カメラを搭載したのはGalaxy S21 Ultraからで新しくはないのだが、以前よりレスポンスや画質が上がって使い勝手はよくなっていると思う。
その勢いで月を撮ってみよう。
スマホで月を撮るときにうまくいかないのは「回りに比べて月が明るすぎる」から、どうしても月がまっ白になっちゃう。月の明るさに合わせた設定で撮ればいいのだけど、それにはカメラアプリ側が「月」を認識し、月に合ったセッティングをしなきゃいけない(逆にいえば、セッティングさえ分かればきれいに撮るのはそう大変じゃない)。
それをやったのがGalaxyなわけだ。
カメラを月に向け、望遠カメラ(できれば30x以上)にし、アプリ側が「月」を見つけると、その明るさに合わせた設定に切り替わるのだ。
この日びっくりしたのは、超細い三日月だったにもかかわらず、ちゃんと月だと認識してくれたこと。100xで撮った三日月だ。
続いてその1週間くらい後に撮った半月。こちらは30x。
実際には、月だと認識したら、AIが仕事をしてより月らしい写真にしてくれるようである。
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