背面カメラは広角(画角80度)6400万画素ピクセルビニング対応のセンサー(1/1.73型)と、超広角(画角120度)1300万画素センサー、インカメラ(画角95度)1300万画素センサーを搭載。センサーサイズの大型化と画素数アップによる高感度化で夜景モードの撮影時間を短縮。画素数アップにより、超解像ズームの画質を向上させている。
写真の全体的な発色や解像感は良好な部類だ。露出やホワイトバランスを大きく外すこともない。画素数アップと撮影処理の影響からか、日中屋外でもしっかり本体を固定して撮影した方が高い解像感を得やすい印象だ。超広角カメラも、写真の端の描写が流れずしっかり描写できている。ミッドレンジの価格帯では優秀だ。
色彩や輪郭の強調は控えめで、実際の見た目に近い画作りのようだ。日本メーカー製スマホのカメラ寄りともいえる。前機種のPixel 6aは鮮やかさやシャープさを強調した画作りだったので、撮れる写真の印象はかなり異なる
2倍ズームや最大8倍の超解像ズームだが、明るい場所だと6400万画素を生かしてあまり画質を落とさずに撮影できる。特に2倍なら劣化に気付かないほど。遠くの風景を寄って撮りたい場合や、料理に寄って撮りたいがスマホや手の影が気になるときに便利だ。なお、Androidスマホではピクセルビニング対応の高画素センサーを搭載したモデルが増えているが、iPhoneではiPhone 14 Proシリーズのみとなる。
夜景モードは高感度性能の向上により、撮影後の待ち時間が短くなった。夜の繁華街など明るめの場所でほぼ待ち時間なしに撮影できる。暗い場所でも前機種Pixel 6aで約4秒かかっていたものが、Pixel 7aなら約2秒で撮影できた。
写真撮影機能はこの他にも、背景をぼかす「ポートレート」「星空撮影」(星空撮影に最適な天候と暗い郊外にて三脚で固定し、4分のロングシャッターが必要)、明るい場所でも自然なロングシャッター撮影を楽しめる「長時間露光」を搭載する。
また、Googleフォトにて「ボケ補正」「消しゴムマジック」などの補正機能を利用できる。消しゴムマジックは他社スマホ向けにも解放されているが、ボケ補正などはPixelでしか使えない。
動画撮影は最大4K60fps撮影の他240fpsの「スローモーション」「タイムラプス」などに対応する。また、強力な手ブレ補正だが画角が狭くなる「アクティブ」や「シネマティック撮影」は、Pixel 6aと比べてカメラ自体の撮影画角を大きく広げたことで、撮影中の画角の狭さをほぼ気にせず撮影しやすくなった。近年のVlog撮影需要を意識した仕様変更だろう。
なお、上位モデルPixel 7との差として「10ビットHDR撮影」と背景をぼかす「シネマティックぼかし」には対応していない。
カメラは最新スマホで当たり前になった夜景モードや、高画素化による高品質な2倍以上のズーム、動画撮影の強力な手ブレ補正といった機能を搭載。さらに、Googleによる特殊撮影や編集機能を利用できるのも魅力だ。ミドルクラスとしては十分以上の機能を搭載している。これ以上の機能強化は、大型センサーや光学望遠、スペクトルセンサー搭載による高額化や大型化が前提になってくる。それはPixel 7aの価格やコンセプトには合わないだろう。
他機種と比べると、前機種Pixel 6aからはセンサーの大型化と高画素化により、高感度撮影やズームの解像力がアップ。広角や超広角の画角も広くなり使いやすくなった。同価格帯のAndroidはもちろん、ハイエンドのAndroidとも比較できる仕様だ。iPhoneと比べると、大半の人にとってはiPhone 14 ProとiPhone 14の中間という認識でいいだろう。
iPhone SE(第3世代)のカメラ仕様は数年前のものを引き継いでおり、センサーが小さく画角が狭め、超広角カメラや夜景モードもないなど比較できるレベルにない。
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