Androidスマホで利用できる非接触の決済サービス「Google Pay」。電子マネーやポイントカードなどを集約しておける便利ツールとして、利用している人は多いと思います。筆者もその1人。そんな「Google Pay」アプリが2023年3月29日以降、順次「Google ウォレット」に切り替わって進化しています。いったい何が変わったのか、グーグル合同会社 決済パートナーシップ日本地区統括の榊原健太氏に聞いてきました。
―― なぜ「Google ウォレット」に変わったのですか?
榊原氏 Google Payは決済中心のプロダクトだったのですが、財布の中に入っているものをデジタル化していくという世界観を実現するため、今回、アプリをGoogle ウォレットに刷新しました。これはグローバルの方針でもあるので、日本でもやっと対応することができました。アプリのデザインもグローバルと同じものになっています。
―― Google ウォレットでは何ができるのでしょうか。
榊原氏 決済部分はGoogle Payと同じで、電子マネー、クレジットカードまたはデビットカード、ポイントカード、飛行機やコンサートなどのチケットのパスを登録しておけます。利用可能な電子マネーは、PASMO、Suica、nanaco、WAON、楽天Edy、iD、QUICPay、Visaのタッチ決済、Mastercardタッチ決済の9つ。楽天Edyに関しては、Google Play ストアでの支払いにもお使いいただけます。
2022年10月13日から、Googleが独自開発した「Pixel Watch」でもSuica、Visaのタッチ決済、Mastercardタッチ決済が利用できます。ウォッチで発行したSuicaは、スマホのSuica同様、Google Payでクレカチャージすることができます。
―― ポイントカードもたくさん登録できますよね。
榊原氏 ポイントカードの登録には2種類あって、1つはわれわれが公開しているAPIに実装することで、デザイン面やポイント残高なども連携できるものです。現在、対応しているのはTポイント、dポイント、Pontaになります。そしてもう1つがバーコードや会員番号を表示できる標準的なものです。このタイプであれば、非常にたくさんのポイントカードを登録することができます。
―― 飛行機やコンサートなどのチケットのパスはどのように登録するのですか?
榊原氏 国内では日本航空、e+(イープラス)と連携していて、コンサートやスポーツ、ミュージアムなどのデジタルチケットを保存しておけます。購入した日と実際に利用する日が離れていても、Google ウォレットに保存することによって、スムーズに表示できるのが便利です。登録方法も簡単で、チケットの購入時に「Googleウォレットに追加」というボタンがあるので、そのボタンからウォレットに連携することができます。
―― 決済関連の機能で新しくなったところはありますか?
榊原氏 Google ウォレットではカードの表示方法が新しくなりました。以前は各ジャンルがタブで分かれていたのに対して、現在は一覧で見やすくなりました。必要なカードに簡単にアクセスできるので、より便利に使っていただけると思います。個人的には買い物のときに「dポイントありますか?」などと声をかけられたときに、すぐに表示できる便利さを感じています。同じジャンル内ならカードを長押ししてドラッグすることで、カードを並べ替えることもできます。
―― 買い物をしたときの表示も変わったように感じます。
榊原氏 各カードの画面で「取引をさらに表示」や「詳細」をタップすると、直近の支払い明細を確認することができます。SuicaやPASMOなどの電子マネーの決済では、利用した日と金額が表示されるのですが、VisaやMastercardのタッチ決済を利用した場合は、利用した日と金額に加えて、どこで購入したのか加盟店の名前も表示されるようになりました。金額だけでは何を買ったか思い出せないことも多いので、店舗名が表示されるのは便利だと思います。
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