割引上限4万円に引き上げ検討にメーカーの本音は?――シャープ・小林繁通信事業本部長に聞いてみた:石川温のスマホ業界新聞

» 2023年07月16日 10時00分 公開
[ITmedia]
「石川温のスマホ業界新聞」

 7月3日、シャープはスマーフォン「AQUOS」シリーズの新CM完成披露イベントを開催した。同社の通信事業本部、小林繁本部長に聞きたかったのが、「割引規制のルール変更についてどう思っているか」という点だ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年7月8日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 総務省のワーキンググループでは現在、端末の割引上限規制を2万円から4万円に引き上げようとしている。当然のことながら、割り引きできる金額が増えると言うことで、メーカーにとっては追い風になるのではないだろうか。

 小林本部長は「個人的な意見」としつつ「4万円になったら、例えばAQUOS senseシリーズなど、満足度の高いものを手軽な価格で手に入れられるようになる。メーカーとしてもブランドイメージを高めることができる」と期待する。

 確かに、AQUOS wishシリーズは、割引上限が2万円ということで、誕生したといえる。そういったスペック的に制限のある機種よりも、AQUOS senseシリーズのように「これで十分」といえる満足度の高い機種を気軽に買えるようになるのは大きいだろう。

 一方で、小林本部長は悲観的な見方もする。

 「2万円の割引でもユーザーが端末を購入することをキャリアが理解している。いま、2万円で作れているのだから、わざわざ4万円のスマートフォンを作り、売る必要はないのではないかと考えてもおかしくない」というわけだ。

 仮に割引上限が2万円から4万円になったとしても、現場では今後も2万円割引が常態化する可能性もゼロではないという。

 キャリアとしても、「いかにARPUを上げるか」に腐心しているところもあり、本来であれば、サクサクと動く5Gスマートフォンを普及させ、ユーザーにデータを使いまくってもらうというのが本筋だろう。

 本来であれば、割引上限規制は取っ払うべきだし、仮に4万円に改定されるのであれば、AQUOS R8やAQUOS R8 Proのようなハイエンドスマートフォンを普及させ、ARPUをじゃんじゃん上げる方向に持って行くのがキャリアのやるべき事だろう。

 小林本部長は「特定の端末に対して大量の金額が投下される状況はあまり幸せにならない」と釘を刺した。このままでいくと、iPhone SEのような端末に4万円の割引が適用される一方で、他のAndroidスマートフォンは渋い割引設定ということになりかねないだけに、そこは避けるような仕組みが必要なのかも知れない。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年10月16日 更新
  1. 異例の「iPhone Air」投げ売りはなぜ起きている? 定価29.5万円の1TBモデルが、いま18.4万円で買える3つの理由 (2026年10月15日)
  2. 「iPhone Air」本音レビュー:使って分かった「バッテリーの持ち」と「ケース選び」の悩ましさ (2025年10月10日)
  3. 楽天モバイルのオリジナルAndroid端末にパッチ未提供の脆弱性 対象端末の利用者には機種変更を推奨 (2026年10月14日)
  4. 7型ディスプレイ搭載「Apple HomeView」発表 Siri AIと顔識別で家族全員に「欲しい情報」を届ける (2026年10月13日)
  5. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  6. AppleCare+なしで修理費最大27万超の「iPhone Duo」を守るなら? 年間2万も差が出る、スマホ保険を検討してみた (2026年10月15日)
  7. 「iPhone Duo」のAppleCare+なし修理費用が明らかに 最大27万円超、折りたたみ画面の損傷は18万円超に (2026年10月15日)
  8. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  9. 日本未発売の3つ折りスマホからEV、巨大な「欧州風」研究拠点まで――Huawei深セン・東莞拠点を歩く (2026年10月15日)
  10. 「iPhone Duo」登場の裏で「iPhone 18」が発表されなかった理由 変わりゆくラインアップ戦略を読み解く (2026年09月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー