「AQUOS R8 pro」のカメラは“速く+賢くなった” 高画質の1型センサーをストレスなく使える荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

» 2023年07月11日 11時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
AQUOS R8 proレビュー カメラ回りのデザインがキリッとしたAQUOS R8 pro

 いきなり1型センサー搭載&ライカ協業で人々を驚かせた「AQUOS R6」から2年。R6では3:2のデジタルカメラ用のセンサーを流用していた(といっていいと思う)が、翌年の「AQUOS R7」ではスマートフォン用に新たに開発されたクアッドベイヤーの1型センサーを採用。センサー自体は4800万画素のものだと思うが、実際に使うのは約4700万画素で撮影画像は約1100万画素となる。

 まあ実質、約1200万画素と思っていい。このR7はまったくの新型センサーだったこともあってか、HDRやポートレートモード時など画像処理に時間がかかることがあった。

 そして2023年。AQUOS R8 proの誕生である(無印のAQUOS R8は1型センサーを搭載しないハイエンド機になった)。R8 proは前モデルと同じセンサーやレンズを採用しつつ、中身がぐっとアップデートされた端末だ。

 大きく分けると、2点。1つは速くなったこと。超高速モデルではないけど、日常の利用で処理を待たされるストレスはなくなった。高速な処理をガシガシかけると熱を持つのがスマホの常だが、カメラとCPUの発熱をカメラ回りのリングに誘導して放熱することで対応したのだ。

AQUOS R8 proレビュー AQUOS R8 proのカメラユニット部。中央のカメラの回りからうまく放熱する設計になっている。残念ながら光学式手ブレ補正は搭載していない

 2つ目は賢くなったこと。AI駆使しまくり。動物やスイーツなどスマホでよく撮影される被写体をターゲットにより賢く立ち回るようになったのだ。特に背景をぼかす「ポートレート」モードで被写体が「人物か動物か」を選べるようになったのが面白い。なかなか大胆な試みだ。

 詳細は後ほど。

被写体に応じたAI処理はいかに

AQUOS R8 proレビュー カメラは中央の1つのみ。両側にあるのは測距センサーやスペクトルセンサーだ

 基本的なところからいくと、カメラはシングル。一見、デュアルカメラだが、向かって左にある小さなレンズは測距センサーだ。右には小さなデバイスが2つ縦に並んでいるが、下はおなじみのLEDライト。上はスペクトルセンサー(要するに、色を測るもので、オートホワイトバランスの質が向上する)。

 メインカメラは19mm相当の広角レンズでF1.9。カメラアプリでの「0.7x」表記が19mm相当でカメラ本来の姿だ。

AQUOS R8 proレビュー 0.7xが本来の画角。ウルトラマン像を人物と解釈したけど、あながち間違ってもいまい
AQUOS R8 pro作例 せっかくなので駅前のウルトラマン像を広角で

 カメラアプリでは24mm相当を1xとしている。そこはAQUOS R6からの伝統で、スマホでは「24mm相当」をメインカメラにする機種が主流のため、そこを「1x」としているのだろう。

 では、AQUOSらしいところの作例からだ。

 AIが認識する被写体がいくつかあって、その代表は人物。わざと逆光のシーンで撮ってみたが、顔を認識したらちゃんと明るく写り、背景はHDRが仕事をして白トビしないようにしてくれた。

AQUOS R8 pro作例 逆光だったから、どうかなと思いきや、顔を明るくしつつ背景の白トビも抑えた写真にしてくれた。これはなかなかだ。

 ぐぐっと顔に近づくと、顔認識から瞳認識に切り替わる。

AQUOS R8 proレビュー ある程度アップになると、瞳を認識してくれる

 今回、スペクトルセンサーでより正確なAWBが可能になったということだが、それを実感する1枚を撮れた。プライベートで撮影したイベントなのでモザイクを入れさせてもらったが、明るくなく照明が複雑(天井の照明とプロジェクターによる投影がごっちゃになってる)なシーンだったが、肌色がきちんと出ているのが分かるかと思う。

AQUOS R8 proレビュー 何気なく撮ったヒトコマ。肌色がきちんと出てびっくりしたのだった

【更新:2023年7月13日16時50分 スペクトルセンサーについての説明と作例を追記しました。】

 面白いのは、複数の被写体があると両方が表示されること。スイーツを前にしたら「人物」と「料理」の両方が表示された。ここで「×」をタップするとそれがキャンセルされる。

AQUOS R8 proレビュー 人物と料理の両方を認識してくれた。どっちかを無視したいときは「X」をタップするか、AIをオフにするといい

 AIが仕事しすぎて「いや今撮りたいのは料理じゃなくて店の雰囲気だ」とかいうこともあるので、そういうとき対応できるのだ。

 まあ「それ料理ちゃうわ!」ってこともあるので、そういうときは「×」をタップしてから撮ればOKである。料理くらいなら間違えて判断されてもあまり困らないけど。

AQUOS R8 proレビュー 料理と認識されたけど、カネゴンは料理じゃありません
AQUOS R8 pro作例 ちなみに料理認識のまま撮影してみた。ちょっと彩度が高めでおいしそうに撮れたかもしれないこともない

 一応ちゃんとした料理も、ということで「肉」。

AQUOS R8 proレビュー 肉です。肉。骨付きステーキ

 続いては花。蓮の花が開いて中からアレが顔を出すいい感じの状態を見つけたのでつい。

AQUOS R8 proレビュー ハスの花。花びらが落ちてその中からいままさに花托(かたく、おしべの部分)が出てこようとするところ
AQUOS R8 pro作例 ウオーターマークを入れてみた

 さらにちょっと離れたところにいい感じのハスの花が咲いていたので、4xにズーミングしてみた。思ったよりデジタルズーム感は少なくていい感じだ。これはけっこう使える。

AQUOS R8 proレビュー 4倍の望遠にしてちょっと離れたハスを狙ってみた
AQUOS R8 proレビュー 4倍のデジタルズームだが、ディテールがちょっと柔らかくなったくらいで全然気にならない。階調も滑らかでこれはきれい

 花の写真ではウオーターマークを入れてみた。4種類用意されているのだが、せっかくなので全部突っ込んでみたのである。

 1つ気になったのは「レンズの焦点距離」表記。19mmとある。確かにレンズ自体は19mm相当なのだけど、ズーミングして撮ったらそれに応じた値になっているべきじゃない?  これは4xなのだから24mmに対する4倍ということで、96mmと書いてほしい。少なくとも19mmの写りじゃないのだから不自然に感じてしまう。

 さて人、花、料理ときたら次はいよいよ動物である。動物も瞳認識OKだ。

AQUOS R8 proレビュー 動物も瞳認識してくれるのだ

 猫でも犬でもどんとこいである。

AQUOS R8 pro作例 2xの望遠で撮ったふさふさの猫。ちなみにちゃんと去勢されています(耳のカットがその印)
AQUOS R8 proレビュー たまたまお散歩に来た犬。ちゃんと瞳にピントが来ています。毛の細かい感じもすごくよく出ている

 ただ、白猫・黒猫を撮るときは要注意だ。動物と認識したらそれを適正露出で撮ろうとするんだが、白猫は明るすぎると判断されて暗目に、黒猫は暗いところにいると判断されて必要以上に明るく撮れてしまう(つまり黒さが出ない)。

 その辺はAIにあと一歩賢く学習していただいて、どんな色の犬や猫でも適正な明るさで写るようファームアップを期待したい。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年