間もなく10月という頃合いですが、昼間は真夏並みの気温となる日が続いています。暑い場所でスマートフォンを使っていると、本体の発熱によって機能制限がかかってしまうことがあります。とりわけ、カメラで写真や動画を撮影したり、3Dグラフィックスを駆使したゲームをプレイしたりすると、その影響を大きく受けがちです。
この機能制限は、スマホが冷めれば解除されますが、冷やし方には注意が必要です。
「急いでスマホの機能制限を解除したい!」という場合、ふと思い浮かぶのが水道水を当てて冷やす方法です。これは“アリ”なのでしょうか……?
スマホを冷やす上で、絶対にやってはいけないことは急激に冷やすことです。
急にスマホを冷やすと、本体内部にある空気が急激に冷やされ、本体内で“結露”が起こります。結露によって本体内に生じた水分は、基板やバッテリーにおいて漏電や短絡(ショート)を起こす可能性があります。
「スマホの調子がおかしい」「スマホの電源が突然切れた」ということで修理に出してみると、実は内部に発生した結露が原因であることが珍しくありません。結露が原因で故障した場合、修理を拒否されたり、修理はできても代金が高くなってしまう可能性があります。
これは防水性能を持つスマホでも同様です。防水スマホの「防水性能」は、基本的には本体の外部の真水(または水道水)に対する防護性能を意味します。スマホの内部まで防水設計としていることは、端子部を除けば“まれ”です。
とにかく、急に冷やす冷却方法は厳に避けるべきです。
では、水道水で冷やすのはどうなのでしょうか。
結露の原因は温度の差。熱いものが急に冷やされることで発生します。暑い日の水道水は気温によって温められるので、水温も高めです。しかし、本体内部の温度と比べると“冷たい”傾向にあります。
つまり、水道水を当てて冷やすと、状況によっては本体内で結露が発生してしまう可能性があります。水道水を当ててスマホ冷やすのも、極力避けるべきでしょう。
スマホが熱を持った場合、しばらく使わないで冷ますことが理想ですが、どうしても早めに冷やしたい場合は、冷やされていない風を当てるか、常温で使える放熱剤を使いましょう。
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