8月もそろそろ終わりですが、去年(2022年)と比べると、全国的に暑い日が続いています。夜になると涼しくなる所もありますが、それでも昼間はかなり気温が上がります。週間予報を見る限り、当面はある程度の暑さは続きそうです。
気温が高くなると、スマートフォン(特にハイエンドスマートフォン)も発熱しやすくなります。内部の部品(プロセッサ、メモリ、バッテリーなど)を保護する観点から、発熱がある程度のしきい値に達すると、スマホは機能制限を掛けます。要するに全力を出せなくなるのです。
この機能制限は、スマホが冷めれば解除されます。しかし、冷やし方には一定の配慮が必要です。
最近は、若い人を中心に「ハンドクーラー」や「クリップクーラー」といった手持ち式の「携帯扇風機」が流行しています。これでスマホを冷やすのは“アリ”なのでしょうか……?
スマホを冷やす上で、絶対にやってはいけないことは急激に冷やすことです。
急にスマホを冷やすと、本体内部にある空気が急激に冷やされ、本体内で“結露”が起こります。結露によって本体内に生じた水分は、基板やバッテリーにおいて漏電や短絡(ショート)を起こす可能性があります。
「スマホの調子がおかしい」「スマホの電源が突然切れた」ということで修理に出してみると、実は内部に発生した結露が原因であることが珍しくありません。結露が原因で故障した場合、修理を拒否されたり、修理はできても代金が高くなってしまう可能性があります。
これは防水性能を持つスマホでも同様です。防水スマホの「防水性能」は、基本的には本体の外部の真水(または水道水)に対する防護性能を意味します。スマホの内部まで防水設計としていることは、端子部を除けば“まれ”です。
凍らせた保冷材はもちろんです、流水、クーラー(エアコン)などから出る冷やされた空気で冷やすのは避けるべきです。
翻って、ハンドクーラーやクリップクーラーはどうなのでしょうか。これらはあくまで“扇風機”で、空気自体を冷やす機能はありません。風を起こす機械です。
よって、これらを使ってスマホを冷やすのは“アリ”です。スマホが熱くなった場合は、特に熱い場所をめがけて風を当てるようにしてみてください。その際に、スマホを使わず、充電もやめると、より早くスマホが冷めます。
ただし、気温が高すぎる場合は、風自体があたたかいゆえに効果が期待できない場合もあります。そのような場合は、素直にスマホを使うのを中断して、冷めるまで待ちましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.