スマホが熱い! 「保冷剤」で冷やしてもいい?

» 2022年08月21日 15時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 8月も下旬にさしかかりましたが、暑い日が続きます。カメラで長時間撮影をしたり、ストリーミングで動画を視聴したりしていると、スマートフォンはどうしても熱くなります。

 内部の部品(プロセッサ、メモリ、バッテリーなど)を保護する観点から、スマホは熱くなると機能の制限を行います。制限が掛かった場合の挙動は機種によって異なりますが、多くの機種では画面のフレームレート(1秒間に行う画面の書き換え回数)の削減、発熱の大きくなる機能(カメラなど)の強制終了/起動禁止、テザリングの停止といった措置を通して発熱を抑えようとします。

 要するに、熱くなるとスマホが“全力”を出せなくなるのです。

Xperia 1 IVの場合 スマートフォンは発熱すると、何らかの形で警告を出すようになっています(画像は「Xperia 1 IV SO-51C」の場合)

 そうなると、1秒でも早くスマホを冷ましたいと思う人もいるでしょう。しかし、スマホを冷却する際には「やって良いこと」と「やってはいけないこと」があります。急いで冷やしたい時は「保冷剤」を使いたくなるのですが、どうなのでしょうか……?

スマホを冷やすイメージ スマホは保冷剤で冷やしていい?

保冷剤を使うと“結露”による故障の原因に

 冷凍した保冷剤(あるいは氷)を使うと、熱くなったスマホを急速に冷やせることは確かです。しかし、“急速に”という点が問題なのです。

 保冷剤を冷凍庫から出して少したつと、水滴が付きます。「回りに水気はないのに……」と思うかもしれませんが、これは保冷剤の周囲にある空気が急速に冷やされて、空気に含まれる水蒸気が凝結したもの。いわゆる「結露」です。

結露 冷凍庫から出した保冷剤を少し置いておくと結露が発生します

 繰り返しですが、結露は空気に含まれる水蒸気が急速に冷やされて凝結したものです。そのことを踏まえて考えると、スマホの本体内部にある空気が冷やされて結露する可能性も否定できません。スマホ内部に発生した結露は、漏電や短絡(ショート)を引き起こして本体の故障につながることもあります。

 一般的にスマホの本体には、水没による故障かどうかを判定するための「水ぬれ反応シール」が複数箇所に貼り付けられています。このシールはユーザーの目に見える場所はもちろん、本体を分解しないと見えない所にもあります。

 キャリアショップなどの故障/修理受付窓口では、目に見える場所にある水ぬれ反応シールの反応状況を見て、水没か否かの一次診断を行います。ここで「水没なし」と判断されると、修理を受け付けてメーカーの修理拠点などに送付されて二次診断を受けることになります。

 この二次診断の際に、目に見えない場所にある水ぬれシールの反応も確認されます。この際に1箇所でも反応のあるシールが見つかると端末が「水没(全損)」したとみなされて、故障時の修理を拒否されたり修理可能でも代金が高額になったりすることもあります。

水ぬれシール スマホの本体には水没を判定するための「水ぬれ反応シール」が貼り付けられています。写真のようにユーザーから確認できる場所にあることもあれば、分解しないと見えない場所にあることもあります(これは正常な状態です)

 「防水端末なら大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんが、防水性能は本体の“外側”にある水分に対する防護措置であって、本体の“内側”を防護するものではありません。

 一度も水につけたことがないスマホでも、本体内部の結露は起こり得ます(※1)。リスクを避ける観点でも、スマホを凍った保冷剤や氷で冷やすのはやめましょう。もちろん、冷え冷えの氷水もダメです。できるだけ自然に冷やしてください。

 どうしても急いで冷やしたい場合は、結露(≒急激な温度変化)の心配のない、うちわや扇風機の風を当てる程度にしておきましょう。

(※1)冬場も、寒暖差の大きな場所を行き来することによる結露が発生しうるので気を付けましょう

ダメ、絶対 凍った保冷剤は使っちゃだめ!!

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