屋外、特に夏の炎天下でスマートフォンを使っていると、触れないほど端末が熱を持つことがしばしばある。Google MapやTwitterなどの他、ブラウザを利用しているだけでも熱くなることがある。熱くなったスマホをそのまま使っていると端末の故障につながるだけでなく、やけどのリスクもある。今回はスマホが熱くなる原因を解説しつつ、その対策に使える冷却グッズを紹介する。
スマホが熱くなる大きな原因として挙げられるのが、周囲の温度の高さだ。夏の屋外や駐車中の車内などは、予報などで気温が低めに発表されていても温室のように熱がこもる。直射日光でスマホの黒い画面部分が熱くなることもある。
グラフィックス処理を頻繁に行うゲームや高解像度のカメラ撮影、動画の視聴など長時間のデータ通信も、プロセッサに負荷がかかるため熱を発しやすくなる。加えてバッテリーが劣化しており、充電しながらの利用でも熱を持つ。
スマホのプロセッサやバッテリーが過熱すると、ディスプレイの明度を下げたり、カメラやプロセッサの機能を制限したりする(端末や状況により異なる)。電源を強制的に落とすこともあり、こういった状況を防ぐためにもスマホの温度はできるだけ下げておきたい。
精密機械を外装で覆っているスマホを冷却する場合は、エアコンで冷やされた風や冷蔵庫、保冷剤のような低温で急速冷却すると結露を起こし、内部で浸水して破損を招く。防水機能を持っていたとしても、流水も同様に急激な温度低下で結露することがある。熱がこもりやすいケースを外し、ファンを利用した空気冷却や熱交換を行えるペルチェ素子のような材料でゆっくりと冷却しよう。
以下で紹介する10製品は、Amazon.co.jpで購入できる冷却グッズだ。
日本ブロアーが販売する吸熱剤とケースに、スマホへ固定するバンドが付属したセット。32度を境に個体から液体へ変化し、液体に変わる際に周囲の熱を吸収する相変化材料「PCM」を利用する。PCMを固める場合は冷蔵庫に入れる必要はなく、冷房の効いた部屋でも固まり、再び外出したときに利用できる。カバーなしでPCM2パックとバンド2つのセットも販売している。
スペックコンピュータが販売する幅65〜84mmのスマホに対応するファン。ペルチェ素子とファンを利用して冷却する。3段階の風量調節が可能で、端末表面の温度が設定温度以下に下がると動作を停止する。
5V/2A出力のACアダプターかモバイルバッテリーでの給電が必要で、約1.2mのMicro USBケーブルが付属する。
サンワサプライが販売する、ペルチェ素子とファンで冷却するアクセサリー。1800mAhのバッテリーを内蔵しており1.5時間連続使用が可能。電源を入れてスマホの背面に当てることで冷却する。単体で動作するため、スマホの種類に影響されにくいが、本体サイズが53(幅)×115(高さ)×25(厚さ)mmと、スマホを重ねた状態では手が小さいユーザーになじみにくい。
同一性能で一般に流通する製品として、「TK-CLN24」が販売されている。
同じくサンワサプライが販売する、ペルチェ素子とファンで冷却するアクセサリー。横置き用のスタンドを備え、オンライン会議や外出先などでの動画視聴時の使用を見込んでいる。こちらもスマホ背面に当てるだけで動作し、スマホの種類に影響されにくいのが特徴。「iPhone 12」や「iPhone 12 Pro Max」でも使用可能としており、120〜168度の傾き調整に対応する。1800mAhのバッテリーを備え、連続で1.5時間使用できる。
サンコーが販売する、ペルチェ素子とファンで冷却するアクセサリー。70〜80(幅)mmのスマホに対応し、USB Type-Cで給電する。手持ち用のホルダーと置き型で100〜210(高さ)mmの調整が可能なスタンドのセットで、ファン本体の厚みは20mm、重量は50g。
アンカー・ジャパンが販売するファン内蔵モバイルバッテリー。高さ145〜161mmのスマホの横向きでの取り付けに対応し、15W出力のUSB Type-C端子と12W出力のUSB Type-A端子を備える。バッテリー容量は6700mAhで、重量は236gと軽量。スマホでゲームを楽しむユーザー向けに、ゲーム機のコントローラーを模したグリップが付いている。
エレコムが販売する、ワイヤレス充電規格のQiに対応したファン付きの充電器。本体底面にファンの高速/低速回転を切り替えるスイッチを備え、熱を持ちやすいワイヤレス給電時に端末表面の温度を下げることで充電効率を上げる。
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