“金属ボディー”のスマホが減った理由 市場トレンドの変遷が素材にも影響(2/2 ページ)

» 2023年12月06日 06時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
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メタルボディーのスマホは絶滅はしていないが、ハイエンド機種での復活は厳しいか

 現在は背面ガラスパネル+金属フレームを採用するスマートフォンが主流だが、一部機種では背面素材にセラミック、フェイクレザー、カーボン(アラミド繊維)などを採用している。

AQUOS zero 日本では薄型化と軽量化の先に生まれた「AQUOS Zero」。当時の6型サイズで146gという軽量化を達成するため、マグネシウム合金製のフレームとアラミド繊維の背面パネルを採用していた

 その一方で、メタルボディーのスマートフォンが完全になくなったわけではない。例えば2023年11月発売のシャープ製「AQUOS sense8」がそれに該当する。機能面やコスト面をてんびんに掛け、デザイン性を考慮した上での選択だと考える。

AQUOS sense8 金属ボディーを採用するAQUOS sense8。軽量化にも力を入れており、6型クラスの画面で159gと軽量かつ、MIL-STD810の高耐久性も備えている

 ただ、3万円クラスの安価な機種では樹脂製のフレームやバックパネルが主流であり、ある程度上の価格帯だと、ワイヤレス充電や高級感を求めて金属フレームにガラス製のバックパネルが主流となる。

 こした流れを踏まえると、フルメタルボディー機種の採用が少なくなるのは自然だ。軽量化と薄型化の競争のもとで採用が進んだメタルボディーのスマートフォン。今こそ差別化要素が大きく、面白い存在だと考えるが、ワイヤレス充電などの機能面で引けをとってしまう点、トレンドにそぐわないデザインは常について回る。そのため、フルメタルスマホは、今後も数を減らしていくだろう。

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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