KDDI高橋社長が語る「povoのオープン化」「ローソンとの提携」 他社との決定的な違いは?(2/2 ページ)

» 2024年03月02日 12時28分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2       

povoのホワイトレーベル化、ローソンへの経営参画の狙い

―― povoのホワイトレーベル化構想も発表しました。

高橋氏 Z世代に向け、彼らのeSIM販売スキームをSDK化し、オープンにしていきます。コミュニティー側からSIMが買えるという仕組みで、povoは表に出ていかずにホワイトレーベルとして対応するという方向性を打ち出しています。povoを国際展開するということで、各国のキャリアに売り込んでいきます。

KDDI povoをホワイトレーベルのように、外部のサービスが利用できるようにしていく方針。その仕組みを、海外にも広げていく構えでMWCに出展した

―― MWCとは直接関係ないかもしれませんが、ローソンへの経営参画について、発表後の反響はいかがでしたか。

高橋氏 「何で小売りに手を出すの?」というのが、最初の反応。ただ、次の反応として「面白い」という人たちがいます。おべんちゃらを言われているわけではないと思いますが、僕の知っているエッジが効いた人たちはみんなそう言っています。

 これはご理解いただけるかどうか分からないのですが、僕たちは基本的にバーティカルタイプ(垂直統合)を志向しています。auの延長線上にコンテンツを置くし、ファイナンスを置くし、エネルギーも置く。今度はコンビニエンスストアを置いて、auユーザーならこんなにいいよねということが広がっていく形を目指しています。

 一方で、ソフトバンクさんや楽天さんはホリゾンタル(水平的に)広げている。PayPayはみんなが使える、楽天市場はみんなが使えるとやり、それがだんだん後からバーティカルになってきています。だから経済圏という言い方になるんだと思います。

ローソン ローソンの共同経営に乗り出す真意は、垂直統合化にあるという。ローソン自身の強化と2軸で魅力化を図っていく方針だ。写真は2月6日の発表会で撮影したもの

―― その違いはどこから来ているのでしょうか。

高橋氏 auのユーザーに対するエンゲージメントを高めていくという話の方が、お客さま目線だと思っているからです。戦略の違いですね。

 図にすると分かりやすいのですが、auやUQ mobileのユーザーは、KDDIでいうとパーソナル事業本部がいて、そのメンバーが向き合っています。そのユーザーに、バーティカルにしたローソンにはこんなにいいことがあるよねということを伝え、ローソンに向かってもらう。一方で、ビジネス事業本部やローソンがよりよく発展するよう、ソリューションを提供していく。この2軸でやっていきます。これをグローバルにまで出していけるようになればいいなと思っています。

―― コンシューマーとローソンをそれぞれKDDIが支えて相乗効果を出していくということですね。発表会では、ほとんどauやUQ mobileの話がなかったので、あまりそこには関係がないのかと思っていました。

高橋氏 その部分はあえて言いませんでした(笑)。「auのためにローソンを垂直統合します!」と言ってそれだけだと捉えられてしまうと、なんかつまらない話になってしまいますからね。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年