スマホとマイナンバーカードで確定申告をやってみた メリットと注意点とは?(2/2 ページ)

» 2024年03月12日 06時00分 公開
[綿谷禎子ITmedia]
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 マイナポータルと連携したら、取得したい証明証などを発行する事業者の外部サイトとマイナポータルのアカウントを連携する操作を行う。アカウント連携に同意し、事業者サイトで手続きするとデータが取得できる。筆者の場合、以前、医療費の連携を行っていたので、支払った医療費の額が表示された。

スマホから確定申告スマホから確定申告 取得したい証明書等を選択する。「+発行元を選択」からアカウント連携する(写真=左)。医業費の額を表示。ただ医療費控除は行わない(控除額に達していない)ので、この情報は削除した(写真=右)

 勤務先が税務署にe-Taxで給与所得の源泉徴収票を提出していれば、令和5年分の確定申告から、源泉徴収票の情報を取得できるようになった。これまでも源泉徴収票をカメラで読み取って自動入力することができたが、さらに便利になったといえる。

スマホから確定申告スマホから確定申告 給与所得の入力時に源泉徴収票の情報を自動で入力してくれるのは便利だ(写真=左)。カメラで源泉徴収票を撮影して、金額等を入力欄に自動で反映することもできる(写真=右)

 収入を入力した後は、控除額を入力。扶養家族など、その他の情報を入力していく。これらの操作は入力欄さえ間違わなければ、比較的スムーズに進む。最後に確定申告書等を表示して、その内容を確認。確定申告は5年以内なら後から修正申告ができるものの、必要な書類の用意が必要になるので、間違いがないよう入念に確認しておきたい。その後、e-Taxで送信すれば確定申告は終了だ。正常に送信されたことも表示されるので安心できる。

スマホから確定申告スマホから確定申告 控除額がいくらになるのか自動で計算して表示する(写真=左)。還付額が事前に分かる。還付がある場合は還付金の振込口座を入力する(写真=右)
スマホから確定申告スマホから確定申告 「帳票表示・印刷」から確定申告書を入念に確認(写真=左)。e-Taxに確定申告書データを送信したら確定申告は終了!(写真=右)
スマホから確定申告 送信結果が表示されるのも安心できる

スマホでの確定申告はアリ! 事前に必要なものを確認しておこう

 いつもはPCで確定申告しているので、スマホだと画面が小さい分、入力が面倒になるのではと不安に感じていた。だが実際にスマホで操作してみると、意外と手軽に入力できたように思う。スマホでの文字入力に慣れているということもあるが、予測変換してくれるので、株式会社なども、「か」と打つだけで入力できたのがラクだった。

 入力に不備があったときの指摘も気付きやすかったし、間違えがちな操作もちゃんと分かりやすく表示してくれていたので、スムーズに操作できた。

スマホから確定申告スマホから確定申告 予測変換してくれるので文字入力がラクだった(写真=左)。入力の不備にも気付きやすかった(写真=右)
スマホから確定申告 間違いやすいところを分かりやすく指示してくれた

 その一方で、数字を入力するときに、最初の数字が入力できていないことがよくあった。これは筆者個人の操作においてだと思うが、キーボードのテンキーと違って手元で操作する分、力の入り方が弱いのかもしれない。あと、確定申告の操作時、これまでの入力データを途中で保存することで、いったん作業を中断することができるのだが、そのダウンロードしたデータが、スマホだとどこに保存されたのかが分かりにくかった。iPhoneの場合、ダウンロードしたデータはファイルに保存されている。

スマホから確定申告 ファイルアプリに確定申告書類とデータが保存されていた。データは翌年の確定申告に活用できる

 実際にスマホで確定申告してみて、スマホもアリだなと感じた。ただ確定申告の電子申請が初めての場合、事前準備がいろいろと必要になるので、そこが面倒に感じるかもしれない。とはいえそのような手間は1回目だけで翌年以降はラクになるので、一度、スマホでの確定申告にトライしてみてほしい。

スマホでの確定申告で用意するもの

  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカード読み取り対応のスマホ
  • 利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)
  • 署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)

事前準備

  • マイナポータルアプリをインストール
  • マイナポータルの利用者登録を行う
  • マイナポータル連携する
  • e-Taxの利用者識別番号を取得する
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