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Androidスマホへの「マイナンバーカード」電子証明書搭載 デジタル庁が設定手順などを説明

» 2023年05月10日 18時15分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 日本国内における行政関連手続きで個人を特定すべく、識別番号が付与されるプラスチック製のICチップ付きのマイナンバーカード。その電子証明書をAndroidスマートフォンに搭載するサービスが5月11日に始まる。マイナンバーカードを携帯せずにスマホだけでマイナンバーカード関連サービスへのアクセス、利用に加え、コンビニエンスストア(コンビニ)交付や、健康保険証としての利用、民間サービスの利用が可能になる。

マイナンバーカード スマホ搭載 スマホ用電子証明書搭載サービスの概要
マイナンバーカード スマホ搭載 スマホ用電子証明書でできること

 他のアプリケーション(券面AP、券面事項入 力補助AP、住基AP)は、今後搭載予定だ。

 スマホ用電子証明書搭載サービス開始前日の5月10日、デジタル庁はスマホ用電子証明書をスマホへ登録する手順や、具体的な対応機種名など改めて説明し、スマホを売却/紛失した場合の手続き手順について明らかにした。

 Androidスマホに搭載できるマイナンバーカードの電子証明書は「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類(以下まとめて「スマホ用電子証明書」で、「マイナポータルアプリ」から申請/書き込み/失効(削除)手続きをワンストップで行えるようになっている(申請時はマイナンバーカードが必要)。両証明書は複数台に同時搭載はできず、最新の証明書のみが有効(=古い証明書は自動的に失効)になる仕組みだ。

 スマホ用電子証明書に対応する手続きは順次拡大する予定で、以下の通りとなる。

5月11日から利用可能

  • 「マイナンバーポータル」へのログインとサービスの利用
  • 民間企業のサービスにおける本人確認(順次対応)

2023年内予定

  • コンビニエンスストアでの公的証明書(住民票など)の交付

2024年4月頃予定

  • 健康保険証としての利用(事前のひも付けが必要)

2024年6月以降

  • e-Gov対応予定

2025年1月頃予定

  • e-Tax(確定申告)対応予定

パスワード(4桁の暗証番号)と生体認証の登録手順

 アプリ起動後、マイナポータルへ推移し、マイページ(4桁の暗証番号)をタップする。「スマホ用電子証明書を申請する」「申請する」の順に進み、マイナンバーカードの読み取りを行う。続いて、スマホ用電子証明書のパスワードを決める。申請完了後に「マイページ」をタップする。発行後にプッシュ通知が届くので、「登録する」をタップする。

マイナンバーカード スマホ搭載
マイナンバーカード スマホ搭載

 本来ならスマホ用電子証明書の利用時にパスワードを入力する必要があるが、生体認証に対応する機種では生体認証によるログインも可能だ。生体認証もパスワードと同じく事前登録が必要。スマホ用電子証明書の登録が完了したら、「生体認証などを利用登録する」へ進み、画面の案内に従って設定する。

マイナンバーカード スマホ搭載

 設定完了後はマイナポータルアプリへのログイン時にパスワードか生体認証を使える。なお、生体認証非対応機種の場合は生体認証を選ぶ項目が表示されないという。

マイナンバーカード スマホ搭載 パスワードの入力画面
マイナンバーカード スマホ搭載 生体認証によるログイン時の画面

 また、子育て関係などの行政サービスの検索・電子申請(紙の申請書に署名、捺印を行うのと同様の手続き)では、ユーザーによる氏名、生年月日、住所といった個人情報の都度入力を省ける。

対応機種は?

 先の通りサービス開始当初、スマホ用電子証明書はAndroidスマホ(比較的新しい「おサイフケータイ」対応機種かつ以下の要件を満たした機種)でのみ利用できる。iPhoneへの対応は未定。Appleとマイナンバーカードシステムとで、データ保護の手法が異なるため、すぐの対応が困難とされる。ただ、国としては前向きに検討しており、2022年12月にティム・クック最高経営責任者(CEO)が訪日した際、岸田文雄首相がiPhoneでもスマホ用電子証明書を利用可能にするよう要請した。

  1. NFC Type Bの通信に対応していること
  2. GP-SE(GlobalPlatform Secure Element)を搭載していること

 なお、対応機種はすでに「スマホ用電子証明書に対応しているスマートフォンを教えてください。(Q&A)」で公開されている。対応機種の一例を挙げると、サムスン電子製の折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip4」「Galaxy Z Fold4」、Googleの「Google Pixel 7/7 Pro」、ソニー製の「Xperia 1 IV」「Xperia 5 IV」、シャープ製の「AQUOS R7」などのハイエンドモデルの他、「Xperia 10 IV」「Galaxy A54」などのミッドレンジモデルとなる。

 今後、新機種が発売された場合は「各通信事業者経由で販売された機種に限り、デジタル庁と各通信事業者で動作検証の上、対応端末一覧表に追記していく」(デジタル庁)としている。

スマホを売却、修理したら、スマホ用電子証明書はどうなる?

 では、スマホ用電子証明書を利用しているスマホを売却、紛失したらどうなるのか? デジタル庁によると、法律により利用者自身での失効手続きが義務づけられており、各通信事業者が全国に展開する店舗や、家電量販店などのスタッフが代行することはできない。

 失効手続きはそれまで利用していたスマホでマイナポータルアプリを開き、所定の手順に従って行う。これにより、スマホ用電子証明書が無効になり、他人による使用を防ぐことが可能となる。手順はこうだ。まずマイナポータルアプリ上でマイページのタブを選択し、次の画面で「失効」をタップ。続いて、失効する電子証明書を選択し、事前に決めたパスワード(署名用電子証明書のパスワード=英数字6文字以上、16文字以下)を入力したら「失効する」を選択する。

 スマホ用電子証明書の利用を再開するには、マイナポータルアプリから利用手続きを行う。

 スマホを紛失してしまった場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178:平日9時30分から20時まで、土日祝日9時30分から17時30分まで)へ連絡し、スマホ用電子証明書の利用を一時停止する。一時停止後、スマホが手元に戻ってこない場合、マイナポータルアプリの操作マニュアルに従い、失効手続きを行う必要がある。

マイナンバーカード スマホ搭載 紛失時の手続き方法や、問い合わせ先などの情報

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