うとうとしていたり、眠っていたりしても、一気に目が覚める緊急地震速報の通知音──2024年1月1日には、家でゆっくりしていたところで鳴り響き、「地震そのものより、緊急地震速報の音が怖かった」という声もありました。また、被災地では、「大きな余震が起きる度に緊急地震速報が鳴るので、もっと不安を和らげる音にならないか」という意見もSNSで見かけました。
令和6年能登半島地震に関するものではありませんが、気象庁は2023年5月5日に能登半島で最大震度6を観測した地震の際、「揺れの大きい地域の居住者と来訪者、それ以外の地域の居住者の緊急地震速報を見聞きした際の行動や意識の違い」について調査したアンケート結果を公表しています(PDFファイル)。
その中で「あの音を聞くと反射的に身構えるようになった」とポジティブな意見がある一方、「突然聞くとドキッとする音なので、もう少し驚きが少ない音にしてもらえるとありがたい」という意見も出ています。
実際のところ、緊急地震速報の通知音を聞いて平常心でいられるという人は少ないのではないかと思いますが、もし緊急地震速報の通知音が落ち着いたメロディだったとしたら、注意を払わずに聞き逃してしまうこともあるでしょう。言い換えれば、緊急地震速報の通知音は、聴いただけで「緊急事態だ!」と誰もが身構えることができる音だということです。
これに関して、スマートフォン向けの緊急地震速報ブザー音を作曲した小久保隆さんは「注意喚起のために、『聴いたことがない楽音(五線譜で表せる音)で表せない音』を意識した」とインタビューに答えています。
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