世界初の折りたたみスマートフォン、「Royole FlexPai」が発売されたのは2018年11月のこと。それから5年以上経過し、いまではミドルクラスの折りたたみ端末が登場するなど、選択肢が増えてきました。大まかに折りたたみスマートフォンには、画面を横に折り開くと大画面になる横折り型、縦に折りたたみコンパクトに持ち運べる縦折り型の2種類があります。このうち、種類が豊富なのは縦折スマートフォンです。
そこで今回は、日本国内で販売されている縦折スマートフォンの中から、「Galaxy Z Flip5」「motorola razr 40 ultra」「motorola razr 40/40s」「Libero Flip/nubia Flip 5G」について、主要なスペックを比較してみたいと思います。
なお、motorola razr 40sはソフトバンク販売モデルで、プリインストールされているアプリに違いがあるものの、ハードウェア的にはrazr 40と同じです。また、Libero FlipはY!mobile専売モデル、nubia Flip 5Gはそのnubiaモデルとなっており、こちらもハードウェア的には同等のようです。
まずはサイズですが、Galaxy Z Flip 5が最もコンパクト。内側ディスプレイも6.7型で一番小さくなっています。残りの機種は約6.9型で共通ですが、解像度はLibero Flip/nubia Flip 5Gが2790×1188ピクセル、他が2640×1080ピクセルです。
外側ディスプレイはが約3.6型で最大。解像度も1066×1056ピクセルと高くなっています。この外側ディスプレイに関してはrazr 40 ultraが最も活用範囲が広く、ほとんどのアプリを利用できます。メールやSNS、ブラウザや動画視聴なども閉じたまま行えます。Galaxy Z Flip 5も3.4型のディスプレイを備えていますが、こちらで利用できるのは天気予報やカレンダー、通知の確認など用意されたウィジェットを表示するイメージ。YouTubeやNetflix、LINEなど一部のアプリは利用できますが、好きなアプリを起動できるわけではありません。
motorola razr 40/40sの外側ディスプレイは、約1.5型とかなり小さめ。アプリを利用することはできず、通知の確認や天気のチェック、音楽などのメディア操作や背面カメラでの自撮りの際にプレビューなど、補助的な目的となっています。
Libero Flip/nubia Flip 5Gの外側ディスプレイも約1.43型と小型ですが、円形ディスプレイになっているのが特徴。用途としてはmotorola razr 40/40sと同様で、折りたたんだ状態での通知さ確認や着信応答などが行えます。
続いてカメラの仕様について。今回紹介しているスマートフォンは、全て2眼構成。ただ、Libero Flip/nubia Flip 5Gは広角+深度測定用カメラという構成なので、実質1眼といっていいでしょう。その他は、広角+超広角という構成です。
スマートフォンの写真の良しあしに関しては、最近ではハードウェアのスペック以上にソフトウェア処理の方が重要になってきているので、単純なスペック比較では何ともいえないところですが、motorola razr 40/40sの広角が64MPと頭1つ抜けています。クアッドピクセル対応で、4つの画素を束ねて1画素として扱うことで光量を確保するので、暗所にも強そうです。
また、背面カメラを使っての自撮りが手軽にできるのも縦折りスマートフォンのメリットの1つ。この機能はどの機種でも利用できますが、外側ディスプレイの大きなGalaxy Z Flip 5とmotorola razr 40 ultraがこの用途には向いているといえます。
プロセッサについては、Galaxy Z Flip 5がSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxy、motorola razr 40 ultraがSnapdragon 8+ Gen 1でハイエンド仕様。motorola razr 40/40s、Libero Flip/nubia Flip 5Gは、Snapdragon 7 Gen 1のミドルクラス仕様となっています。メインメモリはLibero Flip/nubia Flip 5Gのみ6GBで、他は8GBです。
この他、主な機能としては、motorola razr 40 ultra以外はおサイフケータイに対応しています。motorola razr 40 ultraはFeliCa非対応ですが、NFCはあるのでクレジットカードのタッチ決済は利用できます。また、大きな外側ディスプレイでQRコード決済も利用できるので、公共交通機関以外では意外と困らないかもしれません。
最後に気になる価格について。ハイエンドモデルのGalaxy Z Flip5、motorola razr 40 ultraはどちらも15万円前後(税込み、以下同)とかなり高額。ただ、キャリア販売のあるGalaxy Z Flip 5は、ドコモのいつでもカエドキプログラムやauのスマホトクするプログラムを利用すると、実質6万円台〜8万円台で2年間運用できます(端末返却が必要)。ミドルクラスのmotorola razr 40は12万5800円。そのキャリア版であるmotorola razr 40sは9万7200円。motorola razr 40sも新トクするサポートを利用すると実質負担2万2008円で購入できます(端末返却が必要)。
キャリアのサービスを利用する場合、端末返却が前提となり抵抗があるかもしれませんが、スマートフォンを2年ごとに買い替えているという人なら一考の余地はありそうです。
Libero Flipは、定価ベースでは最も安い6万3000円。MNPでY!mobileに契約すれば、最安で3万9800円にまで割り引かれます。折りたたみ端末が定価でこの価格なら、気になっていたけど高くて手が出ないという人でも購入しやすいでしょう。nubia Flip 5Gは若干高い7万7382円(Amazon.co.jp)です。
種類も増え、意外と手が届く価格帯になってきた折りたたみスマートフォン。気になっていた人は、そろそろ買い時かもしれません。
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