ASUSのスマートフォンはZenfoneシリーズにて近年「カメラ性能」を強化しているが、その流れがROG Phoneにもやってきた。同社はZenfone 9や10で好評の6軸手ブレ補正をゲーミングブランドのROG Phoneにも投入。静止画撮影はもちろん、動画撮影でも手ブレを抑えて撮影できる。
メインカメラにはソニー製のIMX890というイメージセンサーを採用。従来モデルから一新され、Zenfoneシリーズ並みにカメラ性能は強化された。また、3200万画素の3倍望遠カメラと超広角カメラも備え、ゲーミングスマートフォンのカメラとは思えない構成へと変化した。
ROG Phone 8は“ゲーミングスマホ”というカテゴリーではあるものの、かなりきれいに撮影できる。イメージセンサーの一新によるハードウェアの強化で、デジタルズームも比較的きれいに処理を行う。2倍などの画角でも画質が荒れる場面は少ない。
強力な手ブレ補正を採用したことで、手ブレによるミスショットが少ない点は優位だ。6軸手ブレ補正によってアクションカムのような使い方も可能だが、本体は大型なので難しそうだ。
3倍望遠カメラについては香港にてグローバル版の実機を試したところ、5倍クラスまでは実用域、10倍でもある程度ディティールを残せていた。この点は望遠カメラを備えない現行のZenfoneに対しても優位性を感じた。
使いやすく進化したのはカメラだけではない。本体をシェイプしたことによる小型軽量化、IP68等級の防水対応やワイヤレス充電をはじめとした「普段使い」でも利用しやすくなっている。
本体はROG Phone 7と比較して小型化。高さでは10mmもシェイプされ、厚さは1.4mm薄くなった。重量225gと実に20g近い軽量化を達成した。感覚的にはiPhone 14 Proシリーズから15 Proシリーズへ乗り換えたときの感覚に近く、この部分は数字以上に実感できるはずだ。
IP68の防水・防塵(じん)性能も備えている。パフォーマンスを持続させる排熱性能と密閉性を求める防水性能は相反するもので、特にハイパフォーマンスを持続させるために、高い冷却、排熱性能が求められるゲーミングスマホでは防水性能の両立が難しいとされている。世界的に見ても珍しい構成だ。
バッテリーは5500mAhのものを採用。合計では以前より500mAh減ったものの、2750mAhのバッテリーを2つ搭載する仕様とした。これに加えて、最大65Wの急速充電にも対応し、ROG Phoneでは初のワイヤレス充電にも対応する。電池持ちについては従来モデルには劣るものの、Galaxy S24 Ultraなどよりも大容量なこともあって、普段使いでは余裕で1日以上利用することができた。
これらの“使いやすさ”の背景には、先日発表された「Zenfone 11 Ultra」の存在がある。本体デザインや各種スペックを見ると多くの点で似通っており、プラットフォームの共通化を行ったことがうかがえる。ROG Phone 8はとがりすぎたハードウェアではなく、あくまで「一般的なスマホ」をベースにゲーム向けチューニングを施したスマホなのだ。
兄弟モデルになった「ROG Phone 8」と「Zenfone 11 Ultra」の外観を比較
新世代のゲーミングスマホ「ROG Phone 8/8 Pro」発表 より軽く小型になり、カメラも強化
「Zenfone 11 Ultra」発表 カメラを強化、AIを用いた新機能も 小型の「11」は現時点でなし
ASUSが「Zenfone終了」のうわさを否定 「ZenfoneとROG Phoneの2つを継続する」
ゲーミングスマホ「ROG Phone 7」発表 先代から168%向上した冷却システム搭載Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.