ゲーミングスマホ「ROG Phone 7」発表 先代から168%向上した冷却システム搭載

» 2023年04月13日 21時30分 公開
[田中聡ITmedia]

 ASUSは4月13日、最新のゲーミングスマートフォン「ROG Phone 7」と「ROG Phone 7 Ultimate」を発表した。欧州と台湾で同日に予約を開始する。日本での発売は未定。価格は、ROG Phone 7のメモリ12GB+ストレージ256GBモデルは999ユーロ(約14万6600円)、メモリ16GB+512GBモデルは1199ユーロ(約17万6000円)、ROG Phone 7 Ultimate(16GB+512GB)は1399ユーロ(約20万5200円)。

ROG Phone 7 ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 7」

 ROG Phone 7は、快適にゲームをプレイするためのパフォーマンスを追求し、冷却性能を強化したゲーミングスマートフォン。カラーバリエーションはファントムブラックとストームホワイトの2色で展開する(ROG Phone 7 Ultimateはストームホワイトのみ)。

ROG Phone 7ROG Phone 7 ファントムブラックとストームホワイトの2色

 プロセッサはQualcommのSnapdragon 8 Gen2、メインメモリは最大16GB、ストレージは最大512GBを備えている。さらに、ゲームのパフォーマンスを向上させる「Xモード」も用意した。ASUSがベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」「Geekbench 6」で計測したところ、他社のハイエンドスマホ「Xiaomi 13 Pro」や「Galaxy S23 Ultra」を上回るスコアを記録したという。バッテリーは3000mAhのものを2基(計6000mAh)搭載しており、65Wの急速充電に対応している。

ROG Phone 7
ROG Phone 7 ASUSが計測したベンチマークテストの結果

 ROG Phoneシリーズの特徴といえる冷却システムは「GameCool 7」に強化。Snapdragon 8 Gen2の効果も相まって、電力効率が15%向上したという。冷却は使用時間に応じて3段階で行う。1〜15分の短時間だと、窒化ホウ素の熱伝導グリスでプロセッサを360度冷却することで、クロックの低下を抑える。15〜30分の場合はベイパーチャンバーとグラファイトシートを用いて放熱する。1時間以上だと、外付けの冷却ファン「AeroActive Cooler 7」を利用する。

ROG Phone 7 ROG Phone 7の内部構造。ベイパーチャンバーとグラファイトシートで放熱を行う

 根本から見直したというベイパーチャンバーは先代から5%拡大し、内部の真空空間に冷却水を入れている。プロセッサの温度が40度前後になると、真空空間の水が気化して、プロセッサからチャンバーの隅々にまで拡大して熱を逃がす。さらに、次回の放熱サイクルに備えて、凝縮した水を再びプロセッサエリアに戻す。その際、ベイパーチャンバーの中に6本の水路を作り、より水が戻りやすくする仕組みを採用している。

 ベイパーチャンバーの表面にはY字型の通路があり、気化した水の拡散を早める「Trident Shape」と呼ぶ構造も取り入れている。これらの工夫により、先代モデルから放熱効率が168%向上したという。グラファイトシートは8%大きくなり、より効率よく熱を逃がすよう形を変更したことで、放熱効率が10%改善された。

ROG Phone 7 ベイパーチャンバーには、水を気化させて熱を逃がし、凝縮した水を素早く中心部に戻す仕組みを採用
ROG Phone 7 気化した水の拡散を早める「Trident Shape」構造を採用
ROG Phone 7 グラファイトシートも形状を刷新した

 ディスプレイは、アスペクト比が20.4:9の6.78型(1080×2448ピクセル)有機ELを搭載しており、リフレッシュレートは165Hz。屋外では1000ニト、ピーク輝度は1500ニトを確保している。また、強化ガラスとしてCorning Gorilla Glass Victusを採用している。

ROG Phone 7 165Hz駆動のディスプレイを搭載

 アウトカメラは5000万画素のメインカメラと1300万画素の超広角カメラ、500万画素のマクロカメラで構成されている。超解像技術により、ズーム性能が向上したという。3200万画素のインカメラは、4画素を1画素として処理して感度を高めるピクセルビニングに対応しており、800万画素で出力される。

ROG Phone 7 背面に3眼カメラを搭載

 ゲーム体験を向上させる心機能として「X Sense」を用意。重要なアイテムが現れたり、敵が近づいたりするなどのシーンを検知すると、ポップアップ通知で知らせてくれる。また、敵を倒したり試合に勝ったりするなどの見どころを自動で録画してくれる「X Capture」も用意している。タップ、縦か横のスライド、スワイプ、超音波ボタンなどを操作して9種類のゲーム操作をカスタマズできる「エアトリガー」も健在だ。

 前面に12×16mmの大型デュアルスピーカーを搭載しており、ボリューム効率が先代から50%向上したとしている。3.5mmイヤフォンジャックも備えている。

ROG Phone 7 前面デュアルスピーカーを搭載

 AeroActive Cooler 7は、ROG Phone 7本体のスピーカーよりも大きな13×38mmのスピーカーにサブウーファーを内蔵しており、ROG Phone 7/6よりも大音量かつ明瞭に低音を出せる。3.5mmイヤフォンジャックも搭載している空冷性能については、タッチパネルは8度まで、背面パネルは25度まで下げることができる。なお、先代のAeroActive Cooler はROG Phone 7で使うこともできる。

ROG Phone 7 大型スピーカーを搭載した空冷ファン「AeroActive Cooler 7」

 サイズは77(幅)×173(高さ)×10.4(奥行き)mm、重量は239g。本体はIP54の防塵(じん)・防滴をサポートしている。生体認証は、ディスプレイ内蔵の指紋センサーと顔認証を利用できる。OSはAndroid 13をプリインストールしており、2年間のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを保証する。SIMはnanoSIMが2つのデュアルSIMに対応している。

 最上位モデルのROG Phone 7 Ultimateは、ROG Phone 7とスペックの差分はほぼない。違いは、起動時、ゲームプレイ時、充電中、着信時などにアニメーションが表示されるサブディスプレイ「ROG Vision」を搭載していること。空気を内部に送り込み、放熱をする「AeroActive Portal」を内蔵していることも違いだ。スマホをセットするとミニゲームが始まる特別パッケージも用意している。

ROG Phone 7 サブディスプレイ「ROG Vision」を備える「ROG Phone 7 Ultimate」
ROG Phone 7 空気を送り込み、放熱する「AeroActive Portal」を内蔵
ROG Phone 7 ROG Phone 7とROG Phone 6のスペック比較

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