5月27日から、マイナンバーカードによる本人確認を暗証番号(PIN)入力せずに行う、いわゆる「かざし利用」に関する規定が定められた。かざし利用のルールを明確化することでマイナンバーカードの本人確認機能の活用を促す。
本機能は求められる認証強度の低い対面での利用、例えば「図書館での『貸出カード』としての利用」「避難所での入退室管理」といった用途での利用を想定しているという。また、マイナンバーカード自体の真正性の確認や「利用者証明用電子証明書」が有効か否かの確認にも利用可能だ。
ただし、かざし利用はオンライン(≒対面でない)手続きや屋外(≒管理され監視された場所以外)では利用できない。また、認証で使う場合は2回目以降の認証での利用が求められる(1回目の利用時にPINやパスワードを使った厳格な認証を行う必要がある)。
デジタル庁では、かざし利用に必要なWindows向けアプリ「マイナンバーカードかざし利用クライアントソフト」を提供している。利用に当たっては守秘義務誓約(NDA)の締結が必要なので、詳細はWebサイトで確認してほしい。
5月27日から、税や社会保障分野を中心とする約80の国家資格が「マイナンバー利用事務」に追加された。これにより、対象となる資格(免許)について6月以降順次、「マイナポータル」から以下の手続きが行えるようになる(資格によっては一部対応にとどまる場合あり)。
コロナ禍の反省を踏まえて制定された「公金受取口座登録制度」は、銀行口座を事前に登録しておくことで、国や自治体から給付金、児童手当や支援金などを受け取る際の手続きを簡素化できる制度だ。従来、この登録をマイナポータルで行う必要があったが、デジタルに不慣れな人に対する対策として、5月27日から年金の登録口座とひも付けられる特例制度が始まった。
対象となるのは年金の“受給者”で、年金の支払い口座を公金受取口座として登録できる。まず、日本年金機構から対象者に制度に関する書留郵便が届く。制度に同意し、年金の支払い口座を公金受取口座として登録する場合は手続き不要だ。
一方、制度に同意せず、登録を断る場合は一定期間内に同意しない旨を同封の返信はがきで送付する必要がある(オプトアウト式)。詳細はデジタル庁のWebサイトで確認してほしい。
なお、公金受取口座の変更や抹消は、マイナポータルで行える他、2024年度末までに金融機関の窓口でも対応できるようになる予定だ。
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