直近で発売されたライカ機でいうと、「Xiaomi 14 Ultra」が話題ですが、Leitz Phone 3はXiaomi 14 Ultraと比べると通好みだと感じます。
Xiaomi 14 Ultraは4眼カメラを搭載し、どんな環境でも撮影できるように設計されているのに対して、Leitz Phone 3はSUMMICRON1つで勝負しています。
両方使用した感想としては、正直Xiaomi 14 Ultraの方が撮りやすさも画質も上であることが多く、旅先で手に取りたくなりました。実際、写真を見返してみてもXiaomi 14 Ultraの方が撮影枚数が多かったです。
Xiaomi 14 UltraにはないLeitz Phone 3の魅力は、濃厚なライカの世界観に浸れるところです。それは言語化してみると、NOCTILUX 50mm特有の球面収差が生み出す周辺部の幻想的なボケ感、そしてSUMMILUX 35mmの現行SUMMILUXを絞ったときのようなシャープな解像感です。もちろんLeitz Phoneのデザインやウィジェットなども世界観の一部で、そういったところに魅力を感じる玄人向けの作りなのだと思います。
ただ、「ライカって結局何がいいの?」という声が依然大きく、私ともどもレビュワーやライカユーザーでさえも言葉にしあぐねていることから分かるように、その世界観を実感し楽しめるようになるには、かなり訓練が必要ですし、人に伝えることはもっと難しいです。つまり、趣味性が高いLeitz Phoneのカメラは、ソーシャル性の高いスマホとの相性は悪いなぁと感じます。
ライカらしい高級感ある外観やライカのレンズを再現したLEITZ LOOKSなど、Leitz Phone 3はライカの世界観を存分に楽しめ、写真に対するこだわりを感じられます。特にレンズごとの描写を楽しめる点は、ライカユーザーであればより深く楽しめるのではないかと思います。
第3世代となる今機ではLEITZ LOOKSの機能が強化されました。F値コントロールのボケ味が安定しないこと、ブライトフレームに非対応であることなど、まだまだ進化の余地はありますが、インスタントな写真に対するアンチテーゼとしてじっくりと写真を撮るということに向き合える点は前機種より格段に「良く」なっています。ライカファンとしては、願わくはF値コントロールだけではなくキリッと映るElmar、ふわふわ描写のHektor、そしてソフトフォーカスのThambarなどもっといろいろなレンズにも触れてみたいものです。
本家M型ライカと比べればかなり手頃な価格であることを考えると、ライカファンの人のサブ機としてや、ライカの世界観に触れてみたい人の初めての1台として、おすすめできるスマートフォンだといえるでしょう。店頭で見かけたときはぜひLEITZ LOOKSを中心に試してみてください。ハマる人にはハマると思いますよ。
ライカの新スマホ「Leitz Phone 3」を試す 最上級のスペックに表現力の増したカメラが融合
ライカのスマホ「Leitz Phone 3」4月19日発売 可変絞りやゆがみ補正機能に対応、ソフトバンクが独占販売
操作性もAFも改善した「Leitz Phone 2」 その写りを“本家ライカ”と比較した結果
あえて「Leitz Phone 2」を選ぶ理由と惜しいポイント 独自の撮影機能「Leitz Looks」はどう?
日本でも発売する「Xiaomi 14 Ultra」カメラ実写レビュー 光と影を追いたくなる描写、こんなにも写真が楽しいスマホは久々だCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.