操作性もAFも改善した「Leitz Phone 2」 その写りを“本家ライカ”と比較した結果(1/2 ページ)

» 2023年01月23日 11時30分 公開
[石森将文ITmedia]
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 年の瀬も押し迫った2022年12月の中旬。在宅ワークに精を出していると、インターフォンが鳴った。玄関に向かえば配達物が到着しており、差出人名義はITmedia Mobile編集長であった。

 同封されていたメモには「クリスマスイブまでに返却してくださいね☆」というただし書きが。そして本命のブツは独Leica Camera(以下、ライカ)が監修しソフトバンクが11月に発売した「Leitz Phone 2」である。

Leitz Phone 2 ライカの第2弾スマートフォン「Leitz Phone 2」

 思い返せば2021年の夏。筆者は従来モデルである「Leitz Phone 1」を試用している。当時のレビュー記事の中で「何をもってライカらしい写りとするのだろう」という思いを記させていただいた。

 そして今回、後継機となるLeitz Phone 2は撮影モードにそのものズバリ「Leitz Looks」を搭載し、「Summilux 28」「Summilux 35」に加え、「Noctilux 50」――F0.95という驚異的な明るさ(と値段……)を持つアイコニックなレンズ――で撮影した際の「ライカの世界観」を再現しているという。Summilux 28、35、Noctilux 50は、Leitz Looks内の撮影モードとして利用できる。

 これは「ぜひ使ってください☆(そして原稿を書け)」という編集長の愛情だと理解し、その週末はLeitz Phone 2と出掛けることにした次第である。

 本題に入る前に、本機の(主にカメラ部分の)特徴を簡単におさらいしておこう。レンズのスペックは従来機と同じ19mm相当画角のF1.9。センサーについては、Leitz Phone 1が約2020万画素だったのに対し、約4720万画素と大幅に高画素化した。ただしフル画素で出力されるわけではなく、4つの画素をクアッドピクセルとして出力するため、得られる画像は約1180万画素ということになる。

 画素が少なくなっちゃうのはどうなの? という向きもあるだろうが、これはこれでノイズの低減に効いていると思われる。また本機は単眼スマホのため、19mm以降の画角は実質的にはデジタルズームである。望遠側の撮影モードでは約4720万画素から画像が切り出されていくため、通常撮影モードの「×2(48mm)」および「Noctilux 50」以外なら劣化なしで1180万画素の画像が得られることになる(言い換えれば、上記の2モードでは画素補完が行われる)。

 また各所で述べられている通り、Leitz Phone 2のハードウェア自体は開発元のシャープによるAQUAS R7とほぼ同等である。違いは外観デザイン、専用アプリや一部UI(ユーザーインタフェース)、そして何よりLeitz Looksということになる。つまり、何よりもそこに価値を感じられるユーザー向きの製品、ということになるだろう。

せっかくなのでM型とLeitz Phone 2を比較したい

 すでにITmedia MobileではLeitz Phone 2の詳報を複数お届けしている。今さら普通に紹介記事を書いても二番煎じ感は拭えない。そこで先述の「何をもってライカらしい写りとするのだろう」という思いを確認するために、本機とM11&Mレンズたちとの比較をしてみたいと考えた。

Leitz Phone 2 編集長からの贈り物もといえる借り物と、M型セットで比較に臨む。キャップは万が一にも無くさないようお留守番である

 条件は次の通り。Leitz Phone 2側はLeitz Looksが写し出したままの写真とし、フィルター効果なども適用しない。M11はフィルムモード「スタンダード」で、各種補正なしの出力とする。M11に装着するレンズはLeitz Looksが再現する画角とレンズになるべく準じるよう、手持ちの中からNoctilux-M F0.95 ASPH、Summilux-M F1.4 FLE、そしてElmarit-M 28mm ASPH(6th)を選択し、Leitz Looksのボケと比較するため絞り開放で撮影する。

 明暗差が大きい場合は、撮影時に簡単な露出補正のみ行った(Leitz Phone 2は測距点連動スポット測光気味に動作するので、オーバー、アンダーに振れやすい印象だった)。

 今回は比較とはいえ、善しあしというより違いを見いだし、それを楽しむ好事家の遊びである。センサーもレンズも物理的な差があるので、いくらコンピュテーショナルで補完しても粗が見えることもあるだろう。また28mmのM型レンズだけ、Leitz Looksが再現するSummiluxではなくEimaritである。そこは筆者がかい性なしがゆえということで、広い心でご容赦いただければ幸いだ。

ハンドリングやUIは改善している

 今回Leitz Phone 2を手にしてまず感じたのは、「ラウンドエッジフォルムじゃないのね」ということであった。

 実はLeitz Phone 1の使用感において、そのラウンドエッジがあまり好みではなかった。撮影しようと手に持った時に端のラウンド部分まで反応してしまうことがあったし、かといってケースを装着するとそれはそれで隅の方にタッチしにくいというのが理由である。その点、本機は通常のスクエアなフォルムに戻り、ハンドリングに違和感を覚えることはなくなった。

 また前機に対する不満として、起動時に表示する画角を任意に設定できない(毎回24mmからスタート)点があり、スナップのリズムを大いに損なっていたのだが、Leitz Phone 2では「カメラモード保持」という設定項目が加わった。

 これにより、35mmで撮りたいなら35mmで、50mmがいいなら50mmで起動する。当たり前のことだが、単焦点での撮影時は脳内でその画角をイメージしながらカメラやスマホを構えるので、いちいち画角を変更する必要がなくなったのは素晴らしいことだと感じた。

 加えて、これは文章では伝えにくい点だが、近距離や小さい被写体に対するAFが改善された印象だ。Leitz Phone 1では少し寄って撮影するとフォーカスが右往左往するばかりという局面もあったのだが、そういうケースがだいぶ削減された感がある。センサーやAFアルゴリズムの更新によるものであろう。

 さて。では以下の作例をご覧いただきたい。

Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 どちらもNoctilux 50で撮影。ピントは男性パフォーマーに置いた。Leitz Phone 2(上)は黒い上着に露出が引っ張られ少しオーバー目の写りで、この距離だとあまりボケ感は得られない。対してM11(下)はさすがの立体感だ(上着の色収差は気になる)

 まず一目で分かるのは「あ、Leitz Phone 2は4:3になったんだ」ということである。一般的なレンズ交換式カメラはフィルムに準じた3:2の画角を採用しているものが多く、Leitz Phone 1もそうだった。

 アスペクト比が異なることに加え、Leitz Phone 2はフォーカスブリージング(ピント位置による画角変動)が大きめの印象を受けた。それもあって今回、完全に同一の範囲を写して比較するということが難しかった。その点もご容赦いただければ幸いだ。

Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 先ほどより近距離での作例(Noctilux 50)。アスペクトでお分かりの通り、上がLeitz Looks。やはり本家より明るく、鮮やかに写る印象。左奥のフェンスのあたりが怪しくなっているが、ぱっと見のボケ感も悪くない。この後の作例にも出てくるが、Leitz Looksは玉ボケを生み出しがち
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 こちらもNoctilux 50。上がLeitz Looks。うるさいことを言わなければなかなかの奥行き感が得られている
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 今度はSummilux 35。やはり上のLeitz Looksは、ぱっと見の鮮やかさ重視。もちろん本家側の空の諧調や雲のディテールはさすが
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 こちらもSummilux 35。ドコモタワーにピントを置いたため、下の本家は手前の木の枝が被写界深度外に出ている。Leitz Looks側は枝までスッキリと写っている
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 今度はSummilux 28。下の本家側はElmaritのため、あくまでも参考としてご覧いただきたい。雲などのハイライト部分は階調が飛んでいるものの、上の作例同様にLeitz Looks側は健闘しているといってよいのではないか
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 Noctiluxの作例に戻る。これまでと傾向は同じだ。上述の通りLeitz Looksは本来ない玉ボケを作りがち。ただしコンピュテーショナルな玉ボケのため、下の本家のように口径食でレモン型に欠けることはなくきれいな形状である
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 こちらもNoctilux。見かけると撮ってしまうベンチ。階調やボケの量は下の本家に譲るが、スマホでもこのくらい撮れるのなら十分と感じる向きも多そうだ
Leitz Phone 2
Leitz Phone 2 Noctiluxが続きます。こういった中距離に被写体を置いた比較では、やはり本家が生み出す立体感は別物だと感じる。また上のLeitz Looksはハイライト側にどうしても無理が出るようだ。1型センサーのクロップだと考えるとやむを得ないところか
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