HISモバイルは2024年2月に7周年を迎えました。過去には格安SIMで最安値の料金プランや、SIMカードの上に貼り付けて使う「変なSIM」を出して話題になりました。筆者は最近あまり注目していませんでしたが、現在もとにかく安い料金を望む格安SIMユーザーに人気のようです。そこで今回はHISモバイルの料金を他社と比較した上で、実際に契約して通信速度も検証しました(料金は全て税込み)。
HISモバイルの主要プランは音声通話機能付きの「自由自在プラン」と、データ通信専用の「データ定額440プラン」「ビタッ!プラン」です。このうち、今回は音声通話機能付きの「自由自在プラン」を中心に解説します。
自由自在プランで選べるデータ容量は月1GB/3GB/7GB/20GB/50GBの5種類です。月1GBのプランを選択した場合、当月のデータ使用量が100MB以下なら自動的に260円割引され、月額290円で使えます。
国内通話料は9円/30秒と大手の半額以下で、専用アプリではなく端末標準の電話アプリで通話できます。プレフィックス番号付与ではないため、高音質なVoLTE(HD+)で通話できるのも特徴です。また、必要に応じて5分かけ放題(+月額500円)や完全かけ放題(+月額1480円)も追加可能です。データ容量を使い切っても1GBあたり200円で追加でき、eSIMも選択できるのもメリットです。
HISモバイルはもともと日本通信と旅行会社のHISが協業で始めたサービスで、料金プランも日本通信の合理的プランと似た部分がありますが、料金もサービスも少しずつ差異があります。
HISモバイルにはデータ通信専用のプランも用意されています。自由自在プランと同じ容量が選べる「データ定額440プラン」と、使った分だけ課金される従量課金制の「ビタッ!プラン」から選べます。
2022年にHISモバイルは業界最安値の料金を出したことで話題になりましたが、現在はどうでしょうか。ここでは音声1GB/3GB/7GB/20GB/50GBの容量ごとに主要なスマホキャリアと料金を比較してみました。
まずは月1GBの料金比較です。
月1GBの場合、HISモバイルより日本通信の合理的シンプル290プランの方がお得です。HISモバイルもデータ使用量が100MB未満なら月額290円ですが、日本通信は1GB使っても月額290円です。ただし、データ追加料金や国内通話料はHISモバイルの方がわずかに安いです。データ使用量が毎月100MB未満に収まるなら、HISモバイルを選んでもいいでしょう。
続いて月3GBの比較です。月3GBが選べるキャリアは多いですが、ここでは日本通信、LINEMO、楽天モバイルと比較しました。
月3GBの場合も日本通信の合理的シンプル290プランが安いです。料金はHISモバイルより40円安いうえ、5分かけ放題や70分の無料通話も月額390円で付けられます。ただし、料金差は月額40円で、データ追加料金、国内通話料金、時間制限なしのかけ放題オプションはHISモバイルが安いので、自身の使用パターンによってHISモバイルを選んでもいいでしょう。
なお、日本通信もHISモバイルも時間帯によって通信速度が遅くなるのがデメリットです。その点、LINEMOは月200円以上高いものの、通信速度は1日中速いです。また、楽天モバイルはRakuten Linkを使えば国内通話が無料になるうえ、家族割/学割や楽天市場のポイントアップなどの特典もあります。料金以外も含め、総合的に判断してください。
なお、LINEMOは、7月下旬から新プランとして「ベストプラン」を提供します。3GBの場合、料金は月額990円でミニプランから変更ありませんが、データ容量超過後、15GB超は128kbpsに速度が制限されるので要注意です(ミニプランは300kbpsで固定)。
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