減益のドコモは「ahamoの店頭対応」「ポイ活プラン」で攻勢 純増減少は「そろそろ限界」とNTT島田社長

» 2024年08月07日 22時38分 公開
[田中聡ITmedia]

 NTTが8月7日、2024年度第1四半期決算について発表した。ここでは、グループ会社のNTTドコモの業績や、質疑応答で挙がった話題を中心にお届けする。

 NTTの売り上げは前年同期比4.1%増の3兆2400億円、営業利益は前年同期比8.2%減の4358億円で増収減益だった。携帯電話サービスを含む総合ICT事業がマイナス173億円、固定電話のサービスを含む地域通信事業がマイナス199億円となり、減益の大きな要因となった。

NTT決算 NTTの第1四半期連結決算

 ドコモの第1四半期の売り上げは、前年同期比1.3%増の1兆4769億円、営業利益は前年同期比5.9%減の2754億円だった。金融や決済を含むスマートライフは126億円の増益だったが、ahamoやirumoなど廉価プランによるモバイル通信サービスの減収、販売強化施策の費用増、法人のPSTNマイグレーション(固定電話のIP網移行)などが減益に響いた。

ドコモ決算 ドコモは増収減益だった
ドコモ決算 通信サービスの減収や販売強化施策の費用増が主な減収要因

 ドコモでは、顧客基盤を強化すべく、量販店での販売を増強する他、オンライン専用プラン「ahamo」の機種変更を店頭で受け付ける。

 量販店での販売強化について「効果は下半期ぐらいから出てくるだろうが、おかげさまで(大容量プラン)eximoの選択率が増えている」とNTTの島田明社長は話す。「競争対抗上、irumoも販売しているのでARPUは下がる傾向にあるが、予想以上にeximoを選択するお客さまが増えている。そう遠くないうちに拮抗(きっこう)していくのではないか」と手応えを感じているようだ。

 ahamoについては、「端末を見ながら変えたい(機種変更したい)という声があったので、8月から、店頭でもahamoの端末の取り換えられるサービスをドコモショップや一部の量販店で開始した」と島田氏は経緯を話す。ahamoはオンライン専用プランではあるが、「きめ細かなニーズに対応するには、オンラインばかりでは満足度を得られない」と方針の変更があったようだ。「リモートとリアルをうまく連携しながら対応していきたい」とした。

 決済サービスの取扱高は、2023年度第1四半期から14%増の3兆5000億円に拡大。うちdカードの取扱高は11%増の2兆4600億円に上る。

ドコモ決算 金融・決済事業は好調を維持している

 ドコモの前田義晃社長が、自前の銀行を持つ予定であることを明かしているが、島田社長も「お客さまの利便を考えると、そこに銀行口座がある方が利用しやすい」と賛同の意向を示す。「M&Aでやるのか、自ら作るのか、いろいろな選択肢がある。いずれもしても、金融の総合的なサービスを展開していく上で、必要となる要素は一段と強化していきたい」(同氏)

 ドコモのARPUは2023年度第1四半期の3990円から3910円に低下した。この要因は「irumoの販売」だと島田氏は言う。ただ、直近ではeximoの選択も増えているそうだ。eximoは1GBまで、1GB〜3GB、3GB〜無制限の3段階で料金が変動するが、3GB以上利用した場合の月額料金(税込み)は、割引なしだと7315円、各種割引を全て含めても4928円。「eximoの方が平均のARPUよりも高いので、そこを強化することで全体のARPUを上げていきたい」と島田氏は意気込む。

 8月1日に提供を開始した新料金プランは「eximo ポイ活」、dカードの支払いで最大5000ポイントの還元が受けられるが、月額料金はeximoよりも3300円高いので、こちらもARPUを上げていく1つの方策になる。島田氏は、2024年度中にARPUが反転することを目標とした。

ドコモ決算 無制限+dカードの還元額が最大10%になる「eximo ポイ活」でARPU向上を狙う

 2024年度第1四半期の携帯電話純増数は18万3000。前年同期比との47万1000から大幅に減っている。この点について島田氏は「ドコモはずっと減らしてきた歴史があるので、そろそろ限界だと思っている」と危機感を募らせる。「シェアをしっかり守る対策を打っていかないといけない。マーケティング強化、ニーズに合わせた対応をする。通信品質も大きな要素。ドコモの幹部が名古屋や大阪に行って自らチェックし始めたので、期待が高まっている」と意気込みを語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  9. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー