ドコモ前田社長が語る「d払い」の強み ポイント還元率は「他社に負けていない」、コンテンツは“ファン”を巻き込む(1/2 ページ)

» 2024年07月18日 17時27分 公開
[田中聡ITmedia]

 ITmedia Mobileでは、2024年7月にNTTドコモの社長に就任した前田義晃氏にインタビューを実施。通信品質、金融サービス、料金プラン、端末ビジネスなど幅広くお話をうかがった。今回はその中から、決済、ポイント、コンテンツビジネスのお話をお届けする。

ドコモ前田義晃社長 NTTドコモの前田義晃社長

Amazonと組むことでポイントの価値が上がる d払いは中小個店への導入も強化

―― 2024年は、dポイントの強化やサービスの改定が目立っています。Amazonとの協業やdポイントクラブ改定の狙いを改めて教えてください。

前田氏 競争軸が通信だけではなく、経済圏での戦い方になります。われわれも8年間ほどdポイントで、通信とは別にお客さんを広げる構造を作ってきました。その中でお客さまの使い方にいい意味で影響を与えられるのが決済の部分です。

 5月にポイントプログラムの改定を発表しましたが、今までのプログラムはどちらかというと、共通ポイントとしての加盟店でポイントバックされる魅力の部分を強めていました。そこも今まで通りお使いいただけますが、決済加盟店もどんどん広がっていって、決済してどれだけポイントを得られるのか。そう見られているので、決済したときのリターンを上げることを強めています。

 1億ポイント会員になったとはいえ、いかにアクティブにお使いいただけるかが重要なので、ライトな人たちも恩恵を受けやすくしました。これら2つ(還元率アップとライト層の取り込み)をやると、決済の頻度もどんどん上がっていきます。

 リアル加盟店の動きは、共通ポイントを広げると言っていたときから強めていました。一方でECの部分に関しては、ECから始めている楽天さんもいれば、ソフトバンクやヤフーさんもある中で、大きなECが持てていませんでした。

 より広く利用できて便利だよね、お得だよねと思ってもらうためには、大きなECと組む必要があります。今までも、決済分野ではご一緒させていただいていましたが、Amazonさんがポイント加盟店になり、お客さんには全体感で便利にお得に使えるようにすることで、ポイントの価値も上がりますし、決済の頻度も上がってくると思います。だいぶそろってきたなと思います。

―― ドコモも「dショッピング」というECを自前で持っていますが、そこを強化するというよりは、既存の大型ECと組む方が、しっかりお客さんを取れていけるという判断だったのでしょうか。

前田氏 多くのおお客さんに喜んでいただけるかを考えると、現時点でAmazonさんと組んでご理解いただく方がお客さまのためにもなりますし、経済圏全体の発展に寄与します。もちろん、既存のサービスをやめるわけではなく、便利にお使いいただいている方もいらっしゃいます。

dポイントクラブ 2024年10月3日にdポイントクラブを改定する。2つ星に上がるための基準を下げ、d払いを利用することでポイント還元率を上げる

―― ポイント還元率を見ると、楽天モバイルは(楽天市場のSPUで)5倍、ソフトバンクもペイトクで最大10%の還元を行っています。ドコモの場合、Amazonで買い物したときの還元率が最大3.5%、dポイントクラブは(d払い特典で)最大4%ですが、還元率についてはどう見ていますか。

前田氏 Amazonさんとの取り組みにdポイントクラブを合わせると、けっこうな倍率になります。決して、他社に対して負けている状態ではないと思っています。ベースの還元率も、ポイントクラブの改定でかなり上げていますので、トータルではわれわれの方がお得になっている部分があると思います。

ドコモAmazon Amazonでd払いを使って買い物をすると、最大3.5%のdポイントが還元される。ただし一度の注文金額が5000円(税込み)以上で1%、60歳以上で1%などハードルが高い

―― 金融・決済サービスは競争が激しいですが、d払いの強みはどこにあると考えていますか。また、シェア1位のPayPayに対抗すべく、どのように裾野を広げていくのでしょうか。

前田氏 決済サービス全体で見ると、d払いも重要視していますが、dカードが規模としては大きくなっています。この観点でいえば、昨年度(2023年度)の取扱高が13.1兆円ですが、その前の年に比べると20%弱くらいの成長率なので、ここはPayPayさんに負けているレベルではないと思っています。ただ、ジャイアントとしては楽天さんがクレジットカードにはいるので、彼らに追い付け追い越せで頑張っていければと思っています。

 コード決済は、PayPayさんが中小個店に強いところは認識しています。大手さんやチェーン店では変わらないと思っていますが、地域での加盟店開拓の体制はもっと強化しようとしています。

 直近では「d払いタッチ(※iDでd払いが利用できる非接触決済サービス)」を入れました。d払いタッチですと、必ずしもd払い加盟店でなくてもiDが使えます。例えばイオンさんでは、今でもPayPayすら入っていないと思いますが(※一部店舗を除く)、iDは使えますよね。同じように中小個店でも、オールインワンのターミナルを入れているお店もあるので、d払いタッチを使えます。こういうところは、もっとコミュニケーションをした方がいいと思っています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月09日 更新
  1. 見た目はガラケー、中身はスマホの「MIVE ケースマ」徹底レビュー どこまで実用的で、誰に向くのか (2026年03月08日)
  2. ドコモがAndroid端末の標準メッセージアプリを「Google メッセージ」に変更 +メッセージアプリも引き続き利用可 (2026年03月06日)
  3. 約8000円で有線CarPlay車両にHDMI入力を追加できる「APP HDMI IN 2」を試す (2026年03月06日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. GeminiやChatGPTがあるのになぜ? ドコモがAIエージェント「SyncMe」を手掛ける理由 強みはdアカウントにあり (2026年03月08日)
  6. iPhone 17eって意外とお得じゃない? (2026年03月07日)
  7. ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの端末セールまとめ【3月7日最新版】 最新スマホをお得に入手しよう (2026年03月07日)
  8. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【3月6日最新版】 最大1万ポイント還元のチャンスあり (2026年03月06日)
  9. パナソニックが“弱いロボット“「NICOBO」を開発したワケ 累計販売1万体突破、今後は会話にLLM活用へ (2026年03月07日)
  10. なぜ? まるで“ガラケー”の「ケースマ」を日本に投入するワケ 異色の韓国メーカーALTに聞く戦い方 (2026年03月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年