ドコモ前田社長が語る「d払い」の強み ポイント還元率は「他社に負けていない」、コンテンツは“ファン”を巻き込む(2/2 ページ)

» 2024年07月18日 17時27分 公開
[田中聡ITmedia]
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コンテンツは配信だけでなく「作ること」で付加価値を生み出す

―― 前田さんと言えば、コンテンツ畑の方というイメージが強いのですが、実は2011年に「dマーケット」が始まったときに、前田さんを取材させていただきました。そのときに、「付加価値があれば必ず買っていただける」と力強くおっしゃっていました。あれから13年がたち、コンテンツを取り巻く状況も大きく変わりましたが、今、キャリアが提供するコンテンツの意義について、どう考えていますか?

前田氏 僕らの業態は当時、コンテンツの配信が手掛けやすかったですし、お客さんもたくさんいらっしゃった。当時はサブスクのサービスがそれほど流行していたわけではないので、そこを先駆けてやらせていただいたことは先進的でしたし、うまくいっていた部分もありました。ただ、そこにどんどんいろんなプレイヤーが出てきて、単純に配信するだけではお客さんに振り向いてもらえない状況になっています。

 もともと、エンタメサービスのバリューチェーンはそこ(配信)だけではありません。当たり前ですが、コンテンツを作るところから始まっています。近年、バリューチェーンの上流、コンテンツを作るところや、近しいところではタレントさんが発掘されて、その周辺でサービスを提供することもあると思います。芸能だけでなく、スポーツもそう。(ドコモがメインスポンサーを務める)井上尚弥さんもそうですし、Jリーグにも協賛させていただいています。

Lemino井上尚弥 ドコモは、井上尚弥選手の世界戦やオリジナルの密着ドキュメンタリー番組などを、Leminoで配信している。9月3日に有明アリーナで開催する「NTTドコモ Presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ 井上尚弥 vs TJ ドヘニー & 武居由樹 vs 比嘉大吾」もLeminoで独占無料生配信する

 こういった形で、コンテンツそのものに対する取り組み方や利用機会を突っ込んで作りに行くという方向に変えてきています。そういう意味では、コンテンツ勝負になっています。そういう所にまで入っていかないと、付加価値が付かないと思うんですよね。ですから、われわれは野心的にパートナーと一緒にやらせていただいています。

 もっと広げるという意味では、新国立競技場の話も出ていますが(※国立競技場の民営化に向けて、ドコモが運営事業者の優先交渉権を獲得)、ああいうアリーナやスタジアムの事業に対して、お客さまの体験価値をどう上げていくのか。スポーツやライブは体験価値が高い。だからビジネスとしても成長していますし、よりお客さんの体験価値を上げる機会を作りに行くことは、お客さんにとっても、豊かさが広がっていきますし、われわれにとっても大きなビジネスチャンスだと思っています。

ドコモ新国立競技場 ドコモは2025年4月からの国立競技場運営に向けた優先交渉権を獲得。スポーツや音楽を掛け合わせた総合エンターテインメントベントの開催を目指す

―― Leminoでオリジナル作品を作るみたいなことを安直にイメージしていましたが、もっと広い視点でコンテンツを作っていくということですね。

前田氏 そうですね。例えば今、吉本興業さんと一緒に作った会社の「ドコモ・スタジオ&ライブ」で作っている映像は、もちろんLeminoにも流しますけど、Lemino以外で流すこともあります。吉本興業には、松本人志さんがプロデュースした「FREEZE(フリーズ)」という番組がありますが、この番組フォーマットを、海外のテレビ局とライセンス契約を結んで販売するということもやっています。

 コンテンツそのものを作る、持つことで広げられるビジネスがたくさんあります。今、各陣営(キャリア)は、エンターテインメントにそれほど力を入れているわけではないですよね。たぶん、うちが一番力を入れているんじゃないですかね? こういうことをすることで、そこから出てくるコンテンツ、タレントさん、スポーツ選手、そしてファンの方々とのつながりを持てます。

―― スポーツでいうと、今は大谷翔平選手が熱いですが、いかがでしょう?

前田氏 大谷さん、高いでしょう?(笑) いや、こちらの方(井上尚弥選手の看板を指して)も高いですけど。昨年もJリーグさんと一緒に主催させていただいた、マンチェスター・シティとバイエルン・ミュンヘンとの試合なども、現時点で抜かれているか分からないですけど、国立競技場で6万人ぐらい入ったんですよ。エンターテインメントにおけるファンの威力はすごいなと思いました。ビッグネームでそれだけ集まってくれるということですから、そういう方々と、ビジネスのチャンスは積極的につかんでいきたいと考えています。



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