鉄道の「QRコード乗車券」導入で何が変わる? メリットと課題を整理する(3/3 ページ)

» 2024年08月13日 10時00分 公開
[岸田法眼ITmedia]
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関西でもデジタル乗車券の本格化に取り組む

 関西に目を向けると、大阪に本社を構える私鉄、地下鉄などが「スルッとQRtto(クルット)」に参画し、2024年6月17日(月曜日)にスマートフォンを活用したQRコードによるデジタル乗車券のサービスを開始した。

QRコード乗車券 キャッシュレス商品の「阪急1dayパス」(提供:阪急電鉄)

 阪急電鉄(以下、阪急)も利用客にキャッシュレス、チケットレスで便利に乗車できる商品を提供するため、同日から2025年3月31日(月曜日)の期間限定で「阪急1dayパス」(大人1300円で小児用はない)を発売。スルッとQRttoのWebサイトに会員登録後、クレジットカードで購入できる。

 阪急によると、「阪急1dayパス」の発売に先立ち、全駅の自動改札機(少なくとも1コーナーに1台)にQRリーダーを設置したという。そこにスマートフォンのQRコードを読み込み、通過する仕組み。

QRコード乗車券 阪急京都線の座席指定車両、PRiVACE(プライベース)は全席コンセントを装備

 スマートフォンは多機能であることから、乗車中に電池切れの恐れがある。その場合、「ご乗車された区間の運賃を現金でお支払いいただきます」(阪急広報談)とのこと。利用前にフル充電しておきたいところだ。

 また、相互直通運転を行うOsaka Metro堺筋線などの他社線に乗り越す場合、「他社降車時に、駅係員へお申し出いただき、乗り越し分の運賃を現金にて精算いただくとともに、駅係員が提示する降車用のQRコードをお客さまのスマホ(スマートフォン)で読み取っていただきます」とのことで、他社線でも乗り越し精算に万全を期している。

 阪急によると、磁気式プリペイドカードの「阪急阪神1dayパス」(阪急および阪神電気鉄道全線が乗車できる1日乗車券)は、今後、デジタル乗車券への移行を検討する予定だという。

QRコード乗車券 西武新宿駅の窓口に設置された翻訳対応ディスプレイ。今後、QRコードを表示することで、デジタル乗車券などが購入できることが期待される

 移行するには交通系ICカードでの残高購入、現金購入など、クレジットカードを所持していない人にも購入できる態勢を整えること、駅構内や車内に充電環境を整備、充実させることが必要になる。

 実用化すると、関西の私鉄、地下鉄から磁気式プリペイドカードが消える可能性もありそうだ

 なお、関東地方の鉄道8事業者で取り組むQRコード乗車券の導入および、磁気券の置き換えについて、現時点では決まっていない。

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