日傘でスマホを利用するもう1つの利点が、スマホの画面が見やすい上に省電力で動作するという点だ。
最近のスマホは明るい日中屋外でも画面を見やすくする「アウトドアモード」などと呼ばれる機能が搭載されている。確かにこのモードを搭載したスマホは、屋外でも比較的画面を見やすい。だが、光の反射による見づらさは防げない他、消費電力が大きくなるので、バッテリー残量が急速に減りがちだ。そこで日傘で日光を遮れば、画面の明るさを抑えつつ画面が見やすくなる。
日傘なし(左)、日傘のなか(右)でiPhone 15 Proの画面を見比べた。日傘を使った方が光の映り込みもなく圧倒的に見やすい。写真では分かりづらいが、左の日傘なしの画面は「アウトドアモード」が有効になっている。日傘ありと比べて画面がかなり明るいでは、日傘といわゆるアウトドアモードでどの程度消費電力に差が出てくるのだろうか。おおよそだが、「iPhone 15 Pro」の値を計測したのが以下のグラフだ。
夏の屋外と日傘利用時、屋内にて、iPhone 15 Proの画面の明るさと消費電力を計測した。昼の14時台に「設定」→「画面表示と明るさ」の画面でライトモードを選択した画面で計測。消費電力は、フル充電完了後に充電器から供給されるおおよその値夏の日中屋外では画面を見やすくするために明るい「アウトドアモード」が有効になる。だが、その消費電力は日傘ありの場合と比べて2倍以上に及ぶ。さらにアプリ利用中の消費電力も加わるので、スマホのバッテリー急速に消費してしまう。
これらの結果から、夏の屋外でのスマホ利用は日傘でスマホの温度上昇を抑えつつ、画面を見やすくして消費電力を抑えるのがベストといっていいだろう。もちろん、可能なら建物の中や日陰に入って利用するべきだ。
このテストではiPhone 15 Proを先に紹介したが、あわせて大画面Androidスマートフォン「Pixel 8 Pro」と、ダイレクト給電設定で消費電力のより正確な数値を得られる「AQUOS R8」でもテストを行った。その結果も表で紹介しておく。
夏の屋外と日傘利用時、屋内にて、各スマホの画面の明るさと消費電力を計測した。昼の14時台に「設定」→「画面表示と明るさ」に相当する画面でライトモードを選択した画面で計測。消費電力は、iPhone 15 ProとPixel 8 Proはフル充電後の供給電力からのおおよその値。AQUOS R8はダイレクト給電設定によるより実際に近い値だ。明るさはニトではなく、簡易輝度計のカンデラ(cd)で記載しているどのモデルも、夏の日中屋外だと画面を明るくするために消費電力が大幅に増え、日傘の利用や屋内に入ると消費電力を抑えられる。
この他、ダークモード時の消費電力に関してもテストしている。近年のスマホはOLED(有機EL)の特性を生かした省電力化のため、標準設定にしているモデルも多い。このモードでは画面のほとんどが黒くなり、その分消費電力を抑えやすくなる。
日中屋外でもダークモードを利用すれば消費電力の問題は解決しそうだが、画面全体が黒くなるので光の反射や映り込みで文字を視認しづらくなる。どちらにせよ、日傘を利用するか、建物の中や日陰で操作した方がいい。
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