「Galaxy Z Fold6」をカメラ視点で検証 閉じても開いても半開きでも安定感抜群 AIフォンならではのワザも荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)

» 2024年09月02日 18時45分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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「AIフォン」ならではの技を駆使してみる

 カメラに関しては十分な画質だよね――ってことで、ここからはAI(人工知能)を駆使した機能で遊んでみたい。

 撮影後のAI駆使機能の充実が、Galaxy Z Fold6を含む最近のハイエンドなGalaxyのウリなのだ。

インスタントスローモーション

 最初は動画から。動画は最高で8K(7680×4320ピクセル)まで撮れるが、ここではフルHD(1920×1080ピクセル)で撮った、何てことない動画を使う。縦位置で撮った動画だ。

640,360きれいなジャンプを披露してくれた。これが元動画である

 使うのは「インスタントスローモーション」。ここぞという場面だけで画面の長押しでスローモーション表示してくれる。

インスタントスローモーション 再生しながら「ここぞ」というところだけ、画面の長押しでスローモーション表示してくれる機能だ

 ジャンプしたところで長押しすると、スローモーションで表示できる。それを「スロー動画」として保存可能だ。スローモーションに足りないコマは、AIが自動的に補完してくれるのがミソ。

640.360,インスタントスローモーションで作成したスロー動画

 作成された動画は見事にスローモーションになっている……のだが、コマ送りでよく見ると、手下や足が消えているコマがあって、完璧ではない。残念。せっかくキレイに飛んでくれたのに。

 AIのやることだからまだまだこれからってところか。

AI消しゴム

 次は編集機能。AIを使った画像の編集は、2カ所に分かれているので注意。

 1つは、以前のモデルでも使える「AI消しゴム」。ちょっとわざとらしいけど「料理を撮ったらスマホの影が映ってしまったー」というカットを用意してみた。

わざとですが わざとらしいけど、真上から撮ったら思いきりスマホの影が落ちてしまったという写真

 AI消しゴムは、そんな時に活躍する。AI消しゴムから「影を消す」を実行してみよう。

画面 AI消しゴム機能を使うと、消したい被写体を消してくれる他、写真に写り込んだ影や反射の除去もできる

 すると、無事影が消えました。これは実用的だ。

影が消えた 無事、影を消してくれたのだった

生成AIを使ったオブジェクトの削除/追加

 もう1つは「生成AI」を使った機能。いろんなとこでデモされているから、ある意味でおなじみのヤツだ。

生成AIを使った機能たち 生成AIを使った機能たち

 ここに銀座四丁目の交差点を撮った写真がある。でも、人が多く行き来するので、どうしてもあれこれ写り込んでしまいがち。

 そんなとき、生成AIの出番。消したいものをタップして選択してから「生成」ボタンをタップしてみよう。

タップタップ 消したい被写体を選んで、全て選んだところで長押しをすると削除が実行される

 よく見ると微妙な所はあるけど、見事に消えました。

削除できたよ さすがにディテールは再現できてないけど、それっぽく仕上げてくれた

 逆に、写真に要素を追加することも可能だ。

 ふと、人を消した写真の空に、飛行機を飛ばしてみたくなったのである。そこで「AIスケッチ」を使って、適当に飛行機っぽいものを描いてみた。

飛行機追加 上空に飛行機っぽいものを描いた。「飛行機を飛ばしたいな」って意図は通じるか……?

 すると、AIが見事に飛行機を飛ばしてくれたのだった。複数の候補が出てくるので、一番意図に近いものを選んでみた。

 ちなみに「生成AI」機能を使うと、左下に「AIが生成したコンテンツ」とウォーターマークが入る

飛行機が飛んでいる ちゃんと銀座の空を、旅客機が飛んでる

 このAIスケッチ、写真に加える手書きのイラスト……というか殴り書きは、どれだけラフであっても、勝手にAIが想像してリアルな画を描いてくれるのが面白い。

 候補はいくつも出てくるのでイメージにあうものを選べばいいのだ。

自撮りでも生成AIは効果的

 もう1つ行ってみよう。まず、インカメラで撮った自撮りの写真を用意した。

自撮り 池を背景にインカメラで撮った自撮り写真

 撮った後、後ろの池が何もなくてさみしい「鳥でも飛ばしてみようかな」と思ったのである。

 そこで描いたのがこれ。単なる線だけれど、人間が見ると「あ、鳥だといいたいんだな」って分かるよね?

鳥さん 鳥っぽいものを描いてみたら……
鳥が飛ぶ!! 池の上をカモメが飛んでおります!

 漠然としたイメージでざっくり落書きをして、「これをいい感じに仕上げて」「おまかせあれ!」って感じで作ってくれるのは分かった。すごい。

 ただし、現状では使いどころは難しいかもしれない。特に仕上がりのイメージを具体的に持っている人には「違う、そうじゃない」となるケースが多そうだ。

ポートレートスタジオ

 そして最後は「ポートレートスタジオ」。選ぶと自動的に顔を検出して、4つの“画風”からどんな感じに仕上げるか選ぶ。

ポートレートスタジオ 「ポートレートスタジオ」をタップすると自動的に顔を見つけ、4つの画風から好きなものを選ぶ

 そして結果はこれだ。

左上から時計回りに「コミック」「3Dアニメ」「スケッチ」「水彩画」

 いろいろと考えちゃうよね。「コミック」といわれたときに想像する画風とちょっと違うよなとか、マンガというよりWebToon風だよなとか、「水彩画」も水彩画というよりも水彩風イラストレーションだよなとか……。

 こういうのって、各国の文化的側面も絡んでくるから、難しいよなと感じる。

 「顔がその人にどのくらい似ているか?」というのも、確かに似てるけれども顔の特徴が薄まってちょっと画一化されている気もする。

 画像の生成AIに関しては非常に興味深くてハイレベルだけど(AIスケッチなんか、あそこまでラフに描いても通じるのかって驚きがある)、実用的かというと「まだまだこれからかな」「今のところ、AIは翻訳やリアルタイム文字起こし系の方がすぐ活躍できそうだな」というところだ。

 でも、今後のスマホの差別化にはAIがかなり重要になるので、いち早くさまざまな方面からアプローチしてきているのはさすがといったところだろう。

(モデル:長谷川未紗)

製品協力:サムスン電子ジャパン

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