「AIフォン」だそうである。イマドキのハイエンドスマホはAI……とはいわなくても、ディープラーニング(深層学習)を活用した、さまざまな機能を持たないものはない。だからこそ、いち早くそう言ったものが強い、という感もあるけれども、「Galaxy S24 Ultra」はそう掲げるだけあって、AIらしくて、かつ実用的な機能をいっぱい入れてきた。
で、カメラももちろんAI技がいっぱい使われているのである。デジタルズーム時に足りない画素を補完するときとか、暗所でのノイズを低減する処理とか、シーンに応じて映えるような色や階調を出したりとか。今回は、そのあたりを試していこうと思う。
S24 Ultraのカメラは4つ搭載で望遠に強いクアッド構成。
超望遠カメラのズーム倍率は5xと、「Galaxy S23 Ultra」の10xより一見劣って見える。しかし、S23 Ultraは「1000万画素(10MP)の10x」なのに対し、S24 Ultraは「5000万画素(50MP)の5x」なのである。元の画素数が多いので、10xで撮っても十分なクオリティーで、取りあえず、こんな写真を撮れちゃうのだ。
たまらんですな。
カメラアプリのズーム倍率にも「0.6x/1x/3x/5x/10x」と、デフォルトで10xが入っていることからも、「光学的には5x望遠だけど、気兼ねなく10xも使ってね」というメッセージになっている。
ではまあ、いつものようにガスタンクを撮りつつチェック。
超広角は35mm判換算の13mm相当で1200万画素(12MP)。AF付で。
メインカメラ(広角カメラ)は24mm相当で、2億画素(200MP)。すごいね。
普段の12MPモードだと、このセンサーの16画素をひとまとめにして扱うので、計算上は「200/16=12.5」、つまり1250万画素相当となる。それを他のセンサーの出力画素数を合わせて、最終的に1200万画素の画像を生成する(サムスン電子はこれを「アダプティブピクセルセンサー」と呼んでる)。
次は3xカメラなのだけど、実は2xのデジタルズームは便利だし、サムスン電子のWebサイトを見ても広角カメラには「広角&光学相当2倍ズーム」と書いてある。
なので2xズームでの写真も。元の画素数がめちゃ多いので、このくらいならびくともしない。常用しても問題ないレベルだ。
なので、カメラアプリにも「1x」と「3x」の間に「2x」のボタンを付けてよかったのにと思う。使うときはズーム倍率サブメニュー(と呼んでいいのか?)から「2」を選ばなきゃいけない。
1xと3xの間に2xを入れると全部で6つになって多すぎると判断されたんだろうか。
次は3x。これは光学3倍望遠カメラで、1000万画素(10MP)となる。これをデジタル的にちょっと伸ばして1200万画素サイズの画像として保存する。
広角カメラが2億画素もあるんだから、3x望遠カメラなんて付けないで、広角カメラの3x望遠でいいんじゃね? と思って、広角カメラの2.9xと光学3xで撮り比べてみたのだけど、3xの方がディテールはしっかりしていた。
次はいよいよ5000万画素の5x望遠だ。レンズのF値は3.4。S23 Ultraの10x望遠カメラはF4.9だったので、それよりも性能はいい。5xで抑えたからだな。
さらに10xも続けてどうぞ。
まあ普通に10xを使っても全く問題ないと思っていいでしょう。
ここまで来たら最後まで行っちゃおう。30xと100xだ。
30xだとディテールはつぶれるけど、全体のバランスは保っているので、ディテールが大事な被写体(人や動物など)以外なら使えそう。30xといえども、かなりクロップした上で足りない情報をAIを使って補完して画像を作っているわけで、これはかなり優秀だと思っていい。
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