Appleは、iPhone 16シリーズ4機種を9月9日(現地時間)に発表した。ティム・クックCEOが「Apple Intelligenceのために一から設計された最初のiPhone」と評したように、同シリーズは全モデルがApple Intelligenceに対応。その処理速度も、唯一Apple Intelligenceをアップデートで利用できるiPhone 15 Pro/Pro Maxと比べ、15%ほど高速化しているという。ここでは、その4機種を写真とともに解説していく。
ノーマルモデルとして初めてApple Intelligenceに対応したのが、iPhone 16とその大画面版のiPhone 16 Plusだ。画面サイズは前モデルと同じ6.1型と6.7型。すりガラスのようなカラフルな背面で、Proモデルと比べるとカジュアルな仕上げになっている。
前モデルからの違いとして、カメラの配置が見直され、超広角カメラと広角カメラが縦一列に並ぶようになった。これによって、空間動画や空間写真が撮影可能になった。また、超広角カメラがマクロ撮影に対応した。
iPhone 15 Proで好評だったアクションボンタンも、そのまま取り入れている。また、右側面には新たに「カメラコントロール」を搭載。Proモデルと、側面のボタンの差がなくなった。カメラコントロールは、シャッターボタンのように使えるキーだが、いわゆる物理キーではなく、感圧センサーとハプティックフィードバックで押し込んだような感覚を再現している。
半押しと押し込みに対応している他、左右にスワイプしてズームの倍率を切り替えたり、新しくなったフォトグラフスタイルの効果を切り替えたりといった操作を行える。iPhoneを横位置で持ったときに便利なボタンだ。ただし、現時点では半押しでのフォーカスロックには対応しておらず、デジカメのように操作できるというわけではない点には注意が必要になる。
実際にこのボタンを使って撮影してみたが、確かにズームの操作が簡単で、そのままシャッターを押せば撮影できるのは便利だ。横位置なら、本体を両手でホールドして人差し指を当てればいいので、画面上のボタンをタップするより、持ったときの安定感がある。ただし、いわゆる物理キーではないため、半押し操作がやや難しかった印象だ。フォーカスロックが入ってきた際には、慣れが必要になるかもしれない。
カメラコントロールはApple Intelligenceとも連動する予定で、看板や風景など、目の前にあるものを生成AIに質問する際に活用できるようになる。いわば、カメラがApple Intelligenceの目で、それを呼び出すためのボタンがカメラコントロールになるというわけだ。残念ながら、現時点ではまだこの機能はハンズオンエリアにあった実機には実装されていなかったが、直感的に生成AIを使える機能として注目しておきたい。
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