新フラグシップ「Zenfone 12 Ultra」発表 AI機能やカメラを強化、Snapdragon 8 Elite搭載

» 2025年02月06日 15時30分 公開
[田中聡ITmedia]

 ASUSが2月6日、Zenfoneシリーズの新型スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」を発表した。欧州で2月6日に、台湾で2月7日に発売する。欧州での価格は1099ユーロ(約17万4000円)。国内での発売についてはアナウンスされていない。

Zenfone 12 Ultra 新型スマートフォン「Zenfone 12 Ultra」

 Zenfone 12 Ultraは、AI機能やカメラ機能に注力したフラグシップスマートフォン。2024年に発売した先代の「Zenfone 11 Ultra」と同様、今回も1モデルで展開する。カラーバリエーションはSage Green、Ebony Black、Sakura Whiteの3色をそろえた。

Zenfone 12 Ultra Zenfone 12 UltraのSage Green
Zenfone 12 Ultra Ebony Black
Zenfone 12 Ultra Sakura White

AIを用いたリアルタイムの翻訳や文字起こし 記事の要約も

 AIについては6つの機能を用意しており、Zenfone 11 Ultraから進化した部分や新機能もある。通話を他言語にリアルタイムで通訳する「AI Call Translator 2.0(Beta)」では、デフォルトの通話アプリに加え、Whats APPやWeChatなどサードパーティーのアプリにも対応する。

Zenfone 12 Ultra サードパーティーのアプリも利用可能になった「AI Call Translator 2.0」

 「AI Transcript 2.0(Beta)」では、レコーダーで録音した内容の文字起こしをリアルタイムで行い、重要な点を要約することもできる。2つの機能はいずれも日本語をサポートしている。Zenfone 12 Ultraでは複数の話者を認識したり、文字起こしの要約をしたりできるようになった。

Zenfone 12 Ultra 複数話者の認識が可能になった「AI Transcript 2.0」

 効率よく調べ物ができる機能も加わった。Webサイトや長い文章などを要約する「AI Article Summary(Beta)」や、PDFやWordなどの内容を要約する「AI Document Summary(Beta)」も利用できる。画像、動画、テキストなどで気になる箇所を長押しし、指で囲うだけで検索ができる、Googleの「かこって検索」も利用可能になった。

 「Semantic Search」として、端末内の検索機能にもAIを取り入れた。「ギャラリー」アプリでは、複数の条件に該当する写真を手軽に検索できるようになる。例えば「おいしそうな食べ物を写真を探して」「バンコクで撮った写真を探して」といった具合だ。「設定」からは、あいまいな単語からでも、関連する候補を表示してくれる。

 上記6つのAI機能のうち、AI Call TranslatorとSemantic Searchは、端末が備えるNPU(Neural Processing Unit)を用いてオンデバイスでのみ動作し、かこって検索はクラウドでのみ動作する。他の機能はオンデバイスとクラウドの両方で動作する。

手ブレ補正が進化したカメラ AIを用いた撮影や編集も可能に

 アウトカメラは5000万画素の広角、3200万画素の望遠、1300万画素の超広角で構成される。広角カメラの手ブレを補正する6軸のハイブリッド(電子式/光学式)ジンバルスタビライザーは、Zenfone 11 Ultraの「3.0」から「4.0」に進化。静止画と動画の撮影時に、最大で5度の動きを補正する。また、補正レベルがZenfone 11 Ultraよりも66%向上したという。

Zenfone 12 Ultra 3眼のアウトカメラと3200万画素のインカメラを搭載
Zenfone 12 Ultra 手ブレ補正の精度がさらにアップした

 動画撮影にもAIを活用している。「AI Tracking」では、被写体をリアルタイムで追従し、中央に配置するよう自動でズームする。「AI Portrait Video 2.0」では、4Kまでの動画撮影時に人物の背景をぼかすことができる。撮影環境の騒音を除去できる「AI Voice Clarity」も追加した。

Zenfone 12 Ultra 動画撮影時の背景ボカシが可能になった

 Google Pixelの「消しゴムマジック」のような機能も用意する。「AI Magic Fill(Beta)」では、ギャラリーアプリに保存されている写真から、背景の不要な人や物を囲うだけで除去できる。この他、写真のぼけている部分を補正する機能、被写体をトラッキングして連写する機能、写真の色温度や彩度を調整する機能も用意している。

 インカメラはRGBWセンサー付きの3200万画素を備えている。

Snapdragon 8 Elite搭載 イヤフォンジャックやeSIMにも対応

 ディスプレイは6.78型のフルHD+(1080×2400ピクセル)有機ELを搭載。1〜120Hzのリフレッシュレートに対応しており、ゲームプレイ時には最大144Hzまで拡張する。ピーク輝度は最大2500ニトだ。強化ガラスとしてCorning Gorilla Glass Victus 2を採用し、本体はIP68の防水・防塵(じん)をサポートしている。

 プロセッサはQualcommの最上位モデルである「Snapdragon 8 Elite」を採用しており、Snapdragon 8 Gen 3と比較してCPU性能が45%、GPU性能は40%、NPU性能は40%の向上を果たしている。メインメモリは最大16GB、内蔵メモリは最大512GBを備えている。SIMスロットはデュアルnanoSIMの他、eSIMもサポートしている。

 容量5500mAhのバッテリーを内蔵しており、39分で0%から100%の充電が可能な65W急速充電と、最大15Wのワイヤレス充電にも対応している。昨今のハイエンドスマホでは珍しい3.5mmのイヤフォンジャックを備えているのも特徴だ。本体サイズは77(幅)×163.8(高さ)×8.9mm(奥行き)、重量は220g。

Zenfone 12 Ultra 薄くてフラットなボディーが特徴だ
Zenfone 12 Ultra 底面に3.5mmイヤフォンジャックを備えている
Zenfone 12 Ultra Zenfone 12 Ultraの主なスペック

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月26日 更新
  1. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  2. mineo料金プラン改定の真相 最安狙わず「データ増量+低速使い放題」で“ちょうどいい”を追求 (2025年12月25日)
  3. 3COINSで1万1000円の「プロジェクター」を試す 自動台形補正、HDMI入力、Android OS搭載で満足度は高め (2025年12月24日)
  4. 若いiPhoneユーザーの間で「クリアケース」に人気が集まっている理由 すべては“推し”のために (2025年12月25日)
  5. 時刻表が“QRコード”だけになった──SNSで「不便」「むしろ不要」と賛否 横浜市営地下鉄は元に戻すのか? (2025年11月21日)
  6. iPhone 17 Proで話題になった「8倍光学品質ズーム」って何? そのメカニズムを解説 (2025年12月25日)
  7. 関東地方で5G通信が速いキャリアは? ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでICT総研が比較(2025年12月) (2025年12月24日)
  8. Apple CarPlayもPlayストアも使える車載ディスプレイ「オットキャスト OttoScreen AI」が30%オフの3万5080円に (2025年12月24日)
  9. iPhoneのロック画面で「カメラが起動しちゃった」を防げるようになった! その設定方法は? (2025年12月24日)
  10. 楽天モバイルが「2025年内に1000万回線」の公約を果たせたワケ 次の目玉は「衛星通信」と三木谷氏 (2025年12月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー