携帯値下げのせいで、「安いだけの国になり、開発力が落ちる」 ソフトバンク宮川社長が危惧すること

» 2025年02月10日 17時15分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 ソフトバンクの宮川潤一社長が2025年2月10日の決算説明会で、日本の携帯電話料金に言及する場面があった。

ソフトバンク SoftBank ソフトバンク

 携帯電話料金をめぐっては、菅義偉首相が官房長官だった2018年夏頃から「日本の携帯電話料金は世界に比べて高すぎる」と指摘し、「通信料金を4割値下げできる余地がある」と主張してきた。

 2020年には楽天モバイルが新規参入し、3社による寡占市場に変化をもたらした。ワンプランを貫き、どれだけ使っても月額最大3278円という「Rakuten最強プラン」を提供している。さらに、2021年3月にはNTTドコモが「ahamo」を開始し、高額と指摘されていた20GBの料金プランが値下げされた。

 近年の動きを見ると、2024年10月1日にドコモがahamoの月額料金を据え置いたまま、データ容量を20GBから30GBに増量したのを皮切りに、KDDIは「UQ mobile」で33GBプランを導入し、「povo」では実質的に毎月のデータ容量が30GBになる1年トッピングを提供するようになった。

 ソフトバンクも、20GB超〜30GBが月額3960円で利用できる2段階制だった「LINEMOベストプランV」を、11月1日以降は契約の翌月から月額2970円で30GBまで利用できるように変更した。

 こうした値下げの流れに対し、宮川氏は「常に値下げの先の一辺倒の議論だけでは、(従業員さんの給料などを支える)構造にならない」とし、「5Gなんてこんなものだろうというようないいわけをしていることが僕は本当に悲しくて仕方がない」と悔やむ。

ソフトバンク SoftBank ソフトバンクの宮川潤一社長(提供:ソフトバンク)

 宮川氏は「であれば健全な形でものの値上げ(物価高騰)に合わせたぐらいの値上げを、どこかでやらなければならない」としつつも、「4社のうちの1社が最初にスタートを切るのは、相当勇気がいるところ」とし、「いまは動くつもりはない」と具体的な動きを現状しない姿勢を示した。

 「もう1度健全な形に戻さなければ」と強調した宮川氏は、「せっかく世界で一番強かった(日本が)通信が安いだけの国になってしまった」ことと、「開発力で落ちてしまった」ことを危惧した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月15日 更新
  1. サイゼリヤは“折りたたみスマホお断り”なのか? セルフ注文画面が話題、真偽を実機で確かめた (2026年05月13日)
  2. 大幅刷新の「iAEON」「AEON Pay」アプリは何が変わった? 使い分け方や便利な機能を解説 (2026年05月12日)
  3. KDDI松田社長「povoを楽天モバイルの副回線に」――自らアイデア例示 ローミングは26年9月で一区切り (2026年05月13日)
  4. スマホ“最大規模の値上げ”はいつまで続く? 「1円スマホ」が存続危機、一方で影響を免れる中国メーカーも (2026年05月14日)
  5. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
  6. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  7. 「Xperia 1 VIII」発表 背面デザイン刷新で望遠カメラ強化 約23.6万〜30万円前後 (2026年05月13日)
  8. わずか3タップで残高が消える? PayPay「送金詐欺」に要注意、送金は補償の対象外で取り戻せず (2026年05月12日)
  9. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  10. 「auでんち」提供 蓄電池を置くと電気代から毎月最大3000円を割引 (2026年05月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年