Xiaomi Storeの展開から見える、日本市場の戦略変化 スマホはオープン市場重視に転換か石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2025年03月15日 10時28分 公開
[石野純也ITmedia]

 2019年12月に日本上陸を果たしてから5年。Xiaomiが、日本での本格的な拡大戦略にかじを切る。3月13日に開催されたイベントでは、3月2日(現地時間)にスペイン・バルセロナで発表されたばかりの「Xiaomi 15 Ultra」を披露。日本で初となるフラグシップのノーマルモデルとなる「Xiaomi 15」の発売予定も明かされた。スマホ以外のワイヤレスイヤフォンやタブレット、IoT家電とその製品数は多岐にわたる。

 これらを一挙に展示、販売する拠点として、Xiaomi Storeの常設店もついにオープンする。提携したのは、イオンモール。3月22日には埼玉県のイオンモール浦和美園店で、4月5日には同じく埼玉県のイオンモール川口店で、店舗の運営を開始する。本格的な拡大に向けかじを切ったXiaomiだが、どのような販売戦略を立てているのか。その詳細を解説する。

Xiaomi Xiaomi Japanは、3月13日に発表会を開催。Xiaomi 15、Xiaomi 15 Ultraなどのスマホに加え、タブレット、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤフォンなどの関連製品やスマート家電を一挙に発表した

より早く、より安く投入するUltra、無印フラグシップも初投入

 3月2日にスペイン・バルセロナでグローバル版のXiaomi 15、Xiaomi 15 Ultraを発表したXiaomi。MWC Barcelona 2025に合わせて披露した2機種は、イベントでも高い評価を得ている。そのお披露目からわずか11日後の3月13日に、Xiaomi Japanは日本でも製品発表会を開催。2機種の発売を正式にアナウンスした。2024年は最上位モデルの「Xiaomi 14 Ultra」のみ投入された格好だが、今年はラインアップを広げ、フラグシップモデルの標準機ともいえるXiaomi 15も発売する。

Xiaomi
Xiaomi 望遠カメラを強化し、見た目もよりカメラらしくなったXiaomi 15 Ultra
Xiaomi
Xiaomi 無印フラグシップで、よりコンパクトなXiaomi 15も発売する

 グローバル版の発表から日本上陸までのタイムラグも、大きく縮めてきた。2024年はバルセロナでの発表から約2カ月半後の発売だったが、Xiaomi 15 Ultraはほぼ同時といっていいタイミングになった。全世界で展開しているメーカーでも、発売時期は国や地域をいくつかのまとまりに分け、段階的に投入するのが一般的。より重要視している市場ほど、発売を早める傾向がある。その意味では、Xiaomiが日本市場攻略により本腰を入れてきたサインと受け止めることが可能だ。

Xiaomi Xiaomi 15やXiaomi 15 Ultraは、3月2日にスペイン・バルセロナで発表されたばかりの端末。写真は、その発表会の様子

 ラインアップを広げ、発売時期を早めただけでなく、2024年のXiaomi 14 Ultraから価格も引き下げてきた。グローバル版はXiaomi 15が999ユーロ(約16万円)から、Xiaomi 15 Ultraが1499ユーロ(約24万円)からだったが、日本での価格(税込み)はXiaomi 15が12万3000円から、Xiaomi 15 Ultraが17万9800円からと、EU圏よりも安価に販売する。アジア市場では安めの価格をつけることが多いXiaomiだが、日本市場での価格もここに合わせてきた。

Xiaomi
Xiaomi Xiaomi 15 Ultraは17万9800円から、Xiaomi 15は12万3000円からと、欧州価格よりも価格を抑えた

 2024年発売されたXiaomi 14 Ultraとの比較では、2万円の値下げになる。この価格を実現できた背景を、Xiaomi Japanのプロダクトプランニング本部 本部長を務める安達晃彦氏は、「グローバルと極力スペックをそろえ、全体のボリュームによってコストを抑えているところがある」と明かす。また、「サプライチェーンも最適化し、これまで以上にアグレッシブな価格戦略を採用した」(同)という。

Xiaomi グローバルとスペックをそろえ、ボリュームを出すことでコストを抑えたと語った安達氏

 2機種ともオープンマーケットでの展開で、おサイフケータイなどの国内向けカスタマイズは施されていないが、それが投入を早め、価格を抑えられる理由にもなったというわけだ。大手キャリアの取り扱うモデルが一部に限られる中、オープンマーケットモデルとして差別化を図るための策ともいえる。実際、キャリアに導入された「Xiaomi 14T」や「Xiaomi 14T Pro」は、海外だと9月に発売されたが、日本への投入は2カ月程度遅れている。

 国内向けのカスタマイズを加えたXiaomi Tシリーズが存在する中、投入時期にさほど差がないXiaomi 15やXiaomi 15 Ultraをあえて日本専用仕様にするより、グローバルモデルとして展開した方が製品の差別化にもなる。2台持ちや、スマートウォッチでFeliCaをカバーできるコアなユーザー層との親和性が高いこともあり、フラグシップモデルはタイミングや価格を重視したというわけだ。ラインアップをどう広げていくかは、「10割の打率でやるのではなく、トライアンドエラーの中で見極めながらやっていく」(同)という方針。後述するXiaomi Storeの拡大もあり、品数重視に踏み切った格好だ。

Xiaomi 日本でライカブランドを冠した端末は、全5機種になる。Xiaomi Tシリーズとの差別化という観点でも、グローバル仕様に近いのは納得がいく
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