三菱自動車工業は3月31日、Z世代向けのバーチャルカーライフアプリ「MILAND(ミランド)」(Android、iOS)を公開した。デジタルを活用した顧客接点創出の一環として、車を所有する楽しさをバーチャルで疑似体験できるというゲームアプリで、いずれ車を購入するZ世代に向け、三菱ブランドをアピールしたい考えだ。
MILANDは、バーチャル空間で車やガレージを疑似的に所有できるバーチャルカーライフアプリ。好みのアバターを選択し、バーチャル空間を歩いて他人とコミュニケーションできる。
ガレージに移動すると、自分やフレンドが所有している車を見たり、好きな色や用意されたステッカーでカスタマイズできる。車は同社を代表する5車種から選べる。車体のモデリングは実車のCADデータを使って外装や内装を再現しているという。
車に乗ってコースを走らせることもできる。このアプリの肝はフレンドとのコミュニケーション体験だ。フレンド登録した友達と車に同乗して、ボイスチャットをしながら用意されたコースをゲーム感覚でドライブできる。一人称では座席によって視点が変わる臨場感にもこだわったという。
アプリはいわゆる“ソシャゲー”のような作りで、デイリーボーナスやミッションが用意されている。基本プレイは無料で、最初に「デリカミニ」がもらえるが、他に用意された「アウトランダー」「トライトン」「デリカD5」「ランサーエボリューションX」に乗ったり、さまざまなコースを走るには、ダイヤを集めるか、課金してダイヤを購入する必要がある。さらに、より多くのコースを無制限で走るには月額500円の課金が必要になる。
アプリ開発はメタバースなどを得意とするJP UNIVERSE(東京都千代田区)が手掛けた。4月上旬のアップデートでは、カスタマイズした車のデータをNFT化してNFTマーケットプレースで売買できるようにする仕組みもある。
今回のアプリについて、三菱自動車工業の伊藤卓郎氏(デジタルイノベーション推進部 担当部長)は次のように説明する。
「デジタルの新領域チャレンジの一環として、2024年より企画を開始した。Z世代にメタバースでカーライフを手軽に体験していただくのがコンセプト。三菱自動車ファンのオーナー様や、そのご家族も楽しめる内容になっている。車種は三菱を代表するものを用意した。ランサーエボリューションXもデジタルカーとして復活させる。世界に1台しかない車を作って楽しんでほしい」(伊藤氏)
三菱自動車工業の中村達夫副社長(代表執行役)は、「バリューチェーンビジネスの拡大や新規事業の創出に力を入れており、特に新しい価値の創出にあたっては、パートナー企業様との協業や協創が重要だと考えている。デジタル領域でJP UNIVERSE様との協創によるミランドを紹介できることをうれしく思う」と話す。
発表会には、ドライブが趣味だという俳優の大原優乃さんも登壇し、アプリを体験してみせた。
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