KDDIは4月1日、AndroidとiOS間で大容量の画像やデータをやりとりできる「RCS(Rich Communication Services)」を開始した。
当初は大々的に告知せず、β版のiOS 18.4を搭載したiPhone向けに提供したが、4月1日にau、UQ mobile、povo1.0のiPhoneユーザーへの提供開始を発表した。iPhoneでpovo2.0、MVNO(au回線)を利用しているユーザーは対象外となっている。
なお、Androidでpovo2.0、MVNO(au回線)を利用している人はサービスの対象となるが、iPhoneでpovo2.0、MVNO(au回線)を利用しているユーザーは対象外。KDDIは公式ページで「提供準備中」としており、提供時期については「別途、知らせる」と案内している。
RCSは、GSMAによって世界的に標準化されたメッセージサービスの規格で、SMSを拡張したものだ。長文テキストや画像・動画の送受信に加え、複数人でのグループチャットも利用できる。
Androidでは「Google メッセージ」がRCSに対応している。一方、Appleは独自の「iMessage」をiOSでも採用してきた経緯があり、OS標準搭載のメッセージングアプリでOSをまたいだリッチなコミュニケーションは叶わなかった。しかし、iOS 18の登場とともにiOSの「メッセージ」アプリがRCSをサポートした。
日本では、2018年にドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が共同でRCSを採用した「+メッセージ」というサービスを開始したが、利用できるのは+メッセージ対応キャリアのユーザー間に限られている。楽天モバイルは「Rakuten Link」で独自のRCSを展開しているが、これも楽天モバイルユーザー同士のみ利用可能だ。
また、RCSの利用にはキャリアのサーバを通じたユーザーの認証が必要なため、RCS非対応キャリアのSIMを使用している場合は、iPhoneが対応していてもRCSを利用できない。
2024年9月の「iPhone 16」発表時、KDDI 執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長の村元伸弥氏は、RCS対応を示唆していた。同年11月1日の決算説明会では、高橋誠社長が「衛星通信とスマホの直接通信は非常に親和性があり、RCSとGoogleの生成AI『Gemini』の相性も良い」と発言。「コミュニケーションサービスにAIをどう組み込むかが、次の勝負になるのではないか」との考えを示した。
KDDIでは、RCSのサイト、My au アプリ、My UQ mobileアプリなどから無料のRCSオプションサービスに申し込む必要がある。今回はauを例に申し込む手順を記載する。まずauのRCSのサイトから「RCSのお申し込み(無料)」をタップする。
次に「追加する」を選択し、利用規約を確認したら、下にスクロールして「上記の重要事項に同意します」の左側のチェックボックスをタップし、「同意して手続きに進む」をタップする。続いて、「契約内容を確認する方法」を選択したら、「この内容で申し込む」を選択。「受付完了」の画面に進めば、手続きが完了する。
利用にはiOS 18.4/Android 8.0以降へアップデートし、無料のオプションサービスへ申し込む必要がある。iPhoneの場合はまず設定を開き、「アプリ」→「メッセージ」の順に進み、「RCSメッセージ」という項目から「RCSメッセージ」をオフからオンに切り替える。アクティベーションが完了すると利用可能になる。
RCSメッセージの右横にあるボタンをタップして、機能を有効にする。しばらくすると、「アクティベート中です」というステータスが消えて、RCSビジネスメッセージの項目まで表れる。RCSが有効になれば、利用できる状態を意味する
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