2024年夏、iOS 18の「メッセージ」アプリがRCSに対応するということが大きな話題となりました。ただ、iOS 18はリリースされたものの、RCSを利用するにはキャリア側の対応が必要とのことで、日本ではまだRCSを利用できません。とはいえ、KDDIは提供に向けて調整しているとのことなので、そう遠くない時期に使えるようになると期待したいところです。
そこで今回は、RCSのリリースを期待しつつ、MMS、SMS、そしてiMessageといったメッセージ規格についておさらいします。
SMSとMMS、RCS、iMessageの主な仕様/機能を簡単にまとめると下記のようになります。
SMSは、携帯電話やスマートフォン同士でテキストメッセージをやりとりする基本的なサービスです。一部のデータ通信専用回線を除き、ほぼ全ての回線と端末で利用可能です。ただし、テキスト以外の画像や動画、ファイルなどを送ることはできません。以前は全角70文字(半角英数字160文字)までという制限がありましたが、現在の端末では最大で全角670文字(半角英数字1530文字)まで送信できるようになっています。
インターネット接続を利用せず、通信キャリアの電話回線を使用してメッセージを送るので、データ容量は消費しませんが、文字数により1通あたり3.3円〜33円の料金が掛かかります。
SMSを拡張し、画像や動画なども送信できるようにしたサービスです。国際標準の規格ではありますが、日本ではMMS以前にキャリア独自のメールサービスが普及していたこともあり、対応がやや特殊です。まず、ドコモはMMSに非対応です。ソフトバンク、Y!mobile、auのキャリアメールはMMSとなっており、iPhoneやAndroidのメッセージアプリで送受信することもできます。どちらかというと、通常のメールに近いサービスです。
RCSは、SMSやMMSの代替サービスとしてGSMAにより標準化されているメッセージサービスの新規格。長文のテキストや、画像や動画などを含むメッセージを送受信できます。複数人でのグループチャットや既読通知機能、入力中表示の有無などがMMSとの大きな違いです。また、SMSと同じく電話番号を使っての送受信となります。
日本では各キャリアのRCSへの反応は意外と早く、2018年にドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が共同でRCSサービスである「+メッセージ」サービスを開始しました。ただ、RCSでやりとりするには、双方ともに+メッセージを利用している必要があります。
+メッセージ以外では、前述の通り、日本ではまだ使えませんが、iPhoneのメッセージアプリがiOS 18ではRCSに対応済みです。iPhoneのメッセージアプリでRCSが利用可能になると、AndroidのメッセージアプリとRCSでやりとりが可能になります。
Android標準のメッセージアプリもRCSに対応しており、既に日本でも利用できます。ただし利用するには、自分と相手がともにGoogle メッセージのRCSを有効にしている必要があります。メッセージアプリの「メッセージの設定」→「RCSチャット」→「RCSチャットをオンにする」から設定できます。
Apple独自のメッセージングサービスで、iPhoneやiPad、MacなどAppleデバイス間でのみ利用できます。RCSと同様に高画質な画像や動画、ファイル共有、既読通知などが可能です。また、iMessageでの通信はエンドツーエンドで暗号化されるので、セキュリティに優れているのも特徴の1つです。
Appleのメッセージアプリ上では、iMessageでのやりとりは青い吹き出しで表示され、それ以外のSMSやMMSなどのメッセージは緑の吹き出しで表示されます。青い吹き出しなら暗号化されていて、緑なら暗号化が行われておらず、その相手とは大きなファイルも送信できないなどの制限があることが一目で分かるわけです。
RCSがサポートされると、さまざまな機能制限は解消されますが、当面は暗号化の問題が残っているためにiMessageは青色、RCSを含むそれ以外は緑色という区別は残るようです。
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