PCでもスマートフォンと同じくメッセージを送受信できるのもRCSのメリットだ。
Googleが提供している「PC版Googleメッセージ」機能を利用すれば、PCのWebブラウザからRCSを利用してやりとりできるようになる。この機能は、WindowsでもMacでも、OSに関係なく利用できる。設定さえ完了すれば、スマートフォンは手元に置いたまま、PCでメッセージの確認や送信ができる。
使い方はとてもシンプルで、まずPCのブラウザでPC版Googleメッセージのサイトを開き、スマートフォンと同じGoogleアカウントでログインする。次にスマホのGoogleメッセージアプリを開いて、PC画面に表示される絵文字を選ぶだけで接続(ペアリング)が完了する。
別の方法でもペアリングができ、PCに表示されるQRコードをスマートフォンのカメラで読み取るだけで設定が完了する。1台のスマートフォンに対して複数のPCやタブレットをペアリングすることも可能だ。
これまで、SMSが「1台のスマートフォンでしか使えないから不便」と感じていた人にこそ、こうした方法を使ってほしい。ただし、言うまでもなく、PCからアクセスする場合は、Wi-Fiネットワーク環境下にいる必要があるので注意が必要だ。
このように、RCSはグローバルではGoogleが主導する形で、キャリアに依存しないRCSの仕組みが整っていた。Androidでは、Googleが自前でRCSの仕組みを提供しており、どの回線を使っていてもRCSを利用できる。そして最近になり、ようやくiOSとの相互接続も進み、KDDI以外の国内キャリア側の対応さえ整えば、どの国内キャリアを利用していてもiPhoneとAndroid間でもRCSの機能を使えるようになる。
日本はRCSの導入自体は早かったのだが、国内の各キャリアが独自のサービスとして運用していたために、利用者同士のやりとりが制限されてしまっている。+メッセージとRakuten Linkに互換性がないことが、この点を裏付けている。こうした影響を受けてか、近年はキャリア主導のRCSアプリではなく、Google メッセージを標準搭載するSIMフリーのAndroid端末が増えている。
KDDIもこうした動きにいち早く目を付け、「メッセージサービスの魅力向上」に向けて、「Google メッセージアプリをAndroid端末の標準アプリとして今後、追加で採用する」と2024年5月16日に発表した。メッセージサービスの魅力向上が実るか否かは、残るドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルはどうしていくのか、この3キャリアの対応次第といえる。
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